白トリュフを栽培しようとしたらかなり年月をかけなくてはならない、という話をしましたが、もちろん、人間が採るのも大変です。トリュフが生える場所は、大抵、親から子へと伝えられ、その場所は家族とトリュフ犬しか知りません。トリュフ犬は子犬のころから訓練して育てます。トリュフの保存期間は短いので、保存方法も重要です。採ったら紙に包んでガラスの密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室に入れ、湿った紙は毎日換えて、容器内の水気もふき取ります。値段の安いトリュフは粗く刻んでバターに練り込み、冷凍することもできます。このバターでリゾットをマンテカ―リしたり、ステーキにのせたりします。リゾットはトリュフと一緒に保存した米で作ります。トリュフは香りですから。
どうもまだトリュフをひきずってます。
なぜ人は、こんなにトリュフが好きなのか。
そもそもトリュフは熟すと強烈な香りを発します。引き寄せられた動物は、地中を掘ってトリュフを食べる。こうしてトリュフは移動初段を獲得し、胞子を広げていくわけです。
トリュフの香りはトリュフの生存戦略。抵抗しても無駄ってもの。人によっては、篭絡されてしまう。
下の動画はトリュフオイルの造り方。オイルにトリュフを浸すんだと思ってた人、その方法もあるけど、そうじゃない方法もあります。
・軽いオリーブオイルを用意します。香りの強いEVオリーブオイルや遺伝子操作をした外国産は避けます。
ガラスの密閉容器の底にテーブルクロスを敷き、中央にオイルを入れたカップ1個を置きます。その周囲に犬が探す時に崩した小さなトリュフを置きます。オイルの中にトリュフは入れません。オイル1カップにつきトリュフは100g。トリュフを入れたら容器を密閉し、冷蔵庫で2、3日寝かせます。
ウンブリアのシェフ、ジョルジョーネのトリュフのタリアテッレ。
たっぷりのバターで和えるだけですでに美味しそうですが、削り方の違う2種のトリュフが加わると、その香りがこっちまで漂ってきます。香りの食材と言えば、その代表はにんにく。イタリア料理は古代ローマ時代からにんにくの香りを多用してきました。
イタリア料理アカデミーの本、『スーゴとソース』
では、ウンブリアの女性はトリュフとにんにくの活かし方をよく知っている、と言ってます。フライパンににんにく、EVオリーブオイル、アンチョビを熱し、にんにくを取り除いて冷ます。そこにすり潰した、または粗くおろしたトリュフを加えてなじませ、こしょうをする。これでトリュフソースの完成です。これを炙ったパンに塗ります。またはスパゲッティのソースにすれば黒トリュフのスパゲッティの完成です。
では、ウンブリアの女性はトリュフとにんにくの活かし方をよく知っている、と言ってます。フライパンににんにく、EVオリーブオイル、アンチョビを熱し、にんにくを取り除いて冷ます。そこにすり潰した、または粗くおろしたトリュフを加えてなじませ、こしょうをする。これでトリュフソースの完成です。これを炙ったパンに塗ります。またはスパゲッティのソースにすれば黒トリュフのスパゲッティの完成です。
『スーゴとソース』のウンブリアの黒トリュフのスパゲッティSpaghetti al tartufo neroは、
材料/5人分
スパゲッティ・・500g
黒トリュフ・・50g
にんにく・・2かけ、塩
EVオリーブオイル・・40g
・油と潰したにんにくを熱して粗熱を取り、おろした黒トリュフを加えて塩をする。
・これをアルデンテにゆでたスパゲッティにかけて和える。
そういえば、前回紹介したじゃがいもとトリュフですが、これはじゃがいもとフンギと言い換えることもできます。
この場合のフンギはポルチーニです。
リグーリア料理です。ポルチーニはアペニン山脈の幸。
アペニン山地のポルチーニ。
アペニン山脈はイタリア半島を縦断する背骨のような山脈。
この山脈の北部は中央ヨーロッパと南イタリアの区切りです。
この地方はトリュフやポルチーニといったきのこの産地ですが、さらに、イタリア最上の牛肉の産地でもあります。
この話は次回に。
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