このブログは(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)を解説するブログです。
(CIR)、『クチーナ・イタリアーナ』、『サーレ・エ・ペペ』誌を見ながらどうぞ。
今日から11月号のリチェッタの解説です。
まず1品めは、“雑穀のフォカッチャの猪肉のジェノべーゼ添え”(リチェッタの日本語訳は、P.2)。
ジェノべーゼというのは、イタリアンパセリのペーストの緑色のソースとしてお馴染みで、直訳すると“ジェノバの”という意味ですが、今回の場合はナポリの料理です。
ナポリの象徴的パスタソースは、ナポリタンではなく、このジェノべーゼなのです。
紛らわしいので、ナポリではジェノべーゼ・ナポリターナと呼んでいるようです。
ただし、ジェノバでは全然知られていないソースだそうです。
でも、何気なく料理名を見て、今頃気が付きました。
フォカッチャのジェノベーゼ添えって、かなりジェノバに寄せてる料理名だった。
それなのに主役はナポリだなんて・・・。ナポリのインパクト強すぎてジェノバの存在が薄かった。
ジェノべーゼソースのパスタ↓
パスタをポキポキ折るのもこの料理の楽しみ。
定番のパスタはカンデーレcandele↓
今月のリチェッタは、猪肉のジェノベーゼです。ナポリのジェノベーゼよりシンプルなバージョン。
言い伝えでは、ジェノバ人が考え出したとか、港周辺のジェノバ人のトラットリアで誕生したとかいう説が信じられています。
ナポリ料理の権威、ルチアーノ・ピーニャターロの本、『リチェッテ・ディ・ナポリ』には、「ナポリでは、ジェノベーゼとは、サルサ・アッラ・ジェノベーゼをかけたパスタのことを意味する」とあります。
ナポリの老舗レストランで行われたこの本の出版パーティー↓
ナポリの老舗レストランで行われたこの本の出版パーティー↓
ソースのベースは玉ねぎです。
『リチェッテ・ディ・ナポリ』には、このソースは玉ねぎの甘味が、子供から大人まで、あらゆる世代に受け入れられた。男性も女性も、伝統へのこだわりが強いグルメにも、玉ねぎが嫌いな人でもお気に入りだった。ナポリでは、トラットリアでもレストランでもこの料理を出す。
玉ねぎは、白玉ねぎやトロペアの赤玉ねぎなど甘いものではなく、肉に対抗できる強さのあるものがよい、ともあります。カンパーニア中に出回っているアベッリーノ県のモントーロMontoroのcipolla ramataはトロペアの玉ねぎほど風味が強すぎず、農民風にパンと食べても美味しい、とあります。
チポッラ・ラマーティ・モントーロ↓
どうやらモントーロの玉ねぎはカンパーニアではトロペアの玉ねぎのライバルと見なされているよう。
玉ねぎが主役のパスタソースで思い出すのは、ベネトのビゴリ・イン・サルサ。
肉は入らず、アンチョビと玉ねぎのソースです。
この料理はリグーリアのモンテロッソの名物。アンチョビで有名な町。リグーリアで玉ねぎのソースのパスタと言えば、ベネチアのビーゴリ・イン・サルサという不思議な現象が・・・。
『リチェッテ・ディ・ナポリ』には、ナポリの定番のパスタとして、クラシックなジェノベーゼ、ツナのジェノベーゼ、ラグーのジェノベーゼ、パスタ・アッラ・ネラノ、スパゲッティ・アル・ポモドーロ、チェターラのコラトゥーラのパスタを挙げています。
ジェノベーゼの次に知られるナポリのパスタソースは、
ナポリを象徴する肉のパスタソース、ラグー・ナポレターノです。
詳しくは次回。
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