2022年10月5日水曜日

ラグー・ナポレターノを煮る時の鍋の音はコトコトではなく、パイプをかすかに吹かすコポコポという音にたとえる。

今日のお題は、ナポリの基本のパスタソース、ジェノベーゼと対をなすラグー・ナポレターノragù napoletanoです。
ナポリ人に言わせると、単なる肉のトマト煮と、ラグー・ナポレターノは別物で、グイド・トンマージの地方料理シリーズの『クチーナ・ディ・ナポリ

には、ラザーニャ用ならサルシッチャをたっぷり加え、肉をセコンド・ピアットとしてサーブするなら上質の部位を少量加え、カロリーを気にしないなら豚バラ肉を加えるなど、目的に応じたバリエーションがある。大事なのはじっくり時間をかけて“ピッピアーレpippiare”すること、とあります。

スローフードのオステリアのリチェッタ集の地方料理書、“イタリア・イン・クチーナ

では、ナポリのオステリアのシェフが、このナポリ料理の傑作は、単なる茶色の濃いトマトソースやスーゴではなく、パスタを熱に抱かれるように包むソース、と語っています。peppiareと呼ばれるその煮方は、ただコトコト煮るのではなく、“peppiare/ペッピアーレ”と呼ばれる煮方です。これはパイプを吸う時のかすかなゴボゴボいう音だそうです。
蓋で完全に閉じずにわずかな隙間を開けて煮込みます。

パイプを吸う、ロンドンパイプ・クラブ↓


ラグー・ナポレターノragù napoletano↓
日曜バージョンの豪華版です。


さすがにパイプを吹かしたことはないので、どんな音か見当もつかないですが、動画の最後のほうにpippiareのことをトマトソースがマグマのように軽く跳ねるような状態だと言ってます。こっちのほうが分かりやすい。


おまけのリチェッタはラグー・ボロニェーゼ↓

トマトピューレの質が出来上がりを左右する料理、やっぱりナポリ料理ですね。

リチェッタの日本語訳は明日です。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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