(CIR)11月号のリチェッタ、今日の料理は“鳩の詰め物のボットーニ”。パスタです。
パスタ・リピエーナは具が肉か野菜かに大別され、形は長方形、三角形、円形、半円形などがあります。現代ではレストランが創造性を発揮する料理として、形も具も様々なものが創り出されています。
パスタ・リピエーナの生地はパスタ・リッシャの生地より薄く、柔らかくてしっかり閉じられるものであることが必要です。
パスタ・リピエーナの個性は、閉じ方にあります。
一番簡単なのは、長方形のラビオリ。次は四角形。
長方形と四角形なんてどこか違うのなんて思いましたが、4辺を同じ長さにするのは、それなりに器用さが要求されるらしいです。
そして形がきれいに整った幾何学的なものは、“都会風borghesi, cittadini”と呼ばれていました。
ということは、田舎風は、形が機械的でなく人間的な温かみのあるいびつなもの、ということですね。
で、当時の都会と言えばトリノで、田舎はアスティのモンフェッラート地方だったようです。トリノはピエモンテの州都。たとえるなら、都会はフランス、田舎はリグーリアのような関係にもありました。リグーリアはパスタ・リピエーノの誕生の地方と考えられています。
リグーリアの伝統的な詰め物パスタはパンソーティpansoti↓
珍しい三角形の詰め物入りパスタ。
具材にリグーリアならではのリビエラ・レバンテ地方(ジェノバ料理)の食材を使うので、手に入れるのが難しいものもあり、伝説のブリーモ扱い。定番はクルミのソース。肉が入らないので復活祭などの断食の期間の名物料理でもあります。
もっとも古い詰め物パスタは、トリノと同じサボイア家に支配されていたサルデーニャの“クルルジョネスculurjones”
出来上がりは複雑な形ですが基本は丸い生地のパスタ・リピエーナ↓
半円形に関しては、ヨーロッパと対立していたイスラムと結びつく仮説が広まっている。オーストリアとトルコの間の神聖ローマ帝国とオスマン帝国の戦いは、ウィーン包囲など、ハプスブルグ家とオスマン帝国に危機的局面を引き起こし、それ以来、ムスリムの旗の三日月マークや半円形はヨーロッパではムスリムの象徴と考えられるようになり、ブリオッシュのクロワッサンなどにその名残が見られる。
今日のパスタは“ボットーニbottoni(リチェッタはP.4)”
ボットーニとはボタンのことです。
丸いパスタ・リピエーナの一種。
丸い詰め物入りパスタは基本的には型で抜きます。
昔ながらの方法ならグラスを使います。
丸い生地の詰め物入りパスタのポイントは詰め物の周囲の空気を抜きながら閉じること。
ボットーニ↓空気を抜く用と切り抜く用に2つの型を使っています。
小型の丸い詰め物入りパスタはアルタ・クチーナの食材。
下の動画はバンコクのマンダリン・オリエンタル・ホテルのチャオ・テラッツァのシェフが作るフォアグラと白トリュフのボットーニ。
丸い詰め物入りパスタの話、次回に続きます。
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