2026年2月3日火曜日

山のイタリアン。

現在のテーマはクールマイユールのオーベルジュのおもてなしに移りました。サルデーニャの次はアルプスで、標高差数千m。地中海の料理と比べると、かなり違います。クールマイユールはイタリア北西部にあるヴァッレ・ダオスタ州に属していますが、その中でも北の端にある町。

ヴァッレ・ダオスタ

クールマイユールは、料理雑誌に登場する機会がほとんどない町ですが、イタリアを代表するウインタースポーツや山のリゾートの聖地。 

クールマイユール。

イタリアとは言え、地中海ではなく、モンブランの麓なので、この地の食生活は山の料理。
高山地帯の料理は、小麦粉とオリーブオイルがベースのイタリアンではなく、牛乳とポレンタ、野菜のミネストラがベース。厳しい気候と痩せた土地、そして物流が困難な地域の料理は、限られた材料で作る本質的で個性的な料理。人間と自然の結びつきの象徴のような料理。
でも、山の上でも美味しいイタリアンが作られていて、世界中からやってくる観光客を魅了しています。

山の料理と言えば、ポレンタ。

トウモロコシが山に届いたのは18世紀半ばのこと。その栽培の歴史は約3世紀弱。
トウモロコシによって山の食生活は根本から変わり、穀物のお粥が消えます。季節によってポレンタに冷たいミルクをかけたり、野草や畑の野菜、きのこ、チーズと組み合わせました。

とうもろこしの次に登場したのはじゃがいも。寒さに強く、冬も長期間保存できて、山の土壌に適応したじゃがいもは山でもっとも栽培量の多い野菜になりました。キャベツと一緒にズッパにすると美味しい。じゃがいもが山に普及した最大のきっかけは飢饉。1815年の大飢饉で山の住民を飢えから救いました。

冬の癒し、キャベツとじゃがいものズッパ。

山では牛を飼育して暮らし、まれに山羊も飼いました。牛のミルクからはバターやチーズ、リコッタを造りました。肉用ではなく、チーズを売って現金収入を得ました。牛肉は山の料理には登場せず、雌牛や雌鶏が病気や老いで死んだ時だけ食卓に登場しました。豚を飼育できるのは裕福な家庭だけで、しかも1年に1頭だけだった。

ブルーノ・アルピーノ種の牛を飼育するアルプスの農場。

おまけ。アルプスの犬はデカイ。バーニーズ・マウンテン・ドッグ。

(CIR)の記事で紹介しているのは、クールマイユールのオーベルジュ・ドラ・メゾン。

比較的最近、クールマイユールのワインの記事を訳しました。山のワインとして紹介されていた“ブラン・ド・モルジェ・ド・ラ・サール・メトド・クラッシコ・ブリュット・ナチュール”というスプマンテです。地元の品種、プリエ・ブランがベースの標高2000m以上のモンブランで製錬されたスプマンテだって。アフタースキーのアペリティーボとして、地元特産のアルナのラルド、ジャンボン・ド・ボス、フォンティーナを添えて飲むそうです。標高2000mとは思えないゴージャスさ。

山の上は大変、と思い込んでいた常識が覆されました。山の上はリッチな人々が集う場所だったんですね。というか、人は山の上でゴージャスなスプマンテ飲みがち。

クールマイユールの人気店、パスティフィーチョ・ガブリエッラ。パスタ・フレスカ、惣菜、ドルチェの店。店のwebページはこちら


この話は、(CIR2023年8月号)の記事、“アルプスのおもてなし”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.28。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。

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この話は、(CIR2023年8月号)の記事、“アルプスのおもてなし”の解説です。記事の日本語訳と写真はP.28。

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週末はクレアパッソのお薦め本の紹介。
スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

【地方料理、シリーズ】

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現在のテーマはクールマイユールのオーベルジュのおもてなしに移りました。サルデーニャの次はアルプスで、標高差数千m。地中海の料理と比べると、かなり違います。クールマイユールはイタリア北西部にあるヴァッレ・ダオスタ州に属していますが、その中でも北の端にある町。 ヴァッレ・ダオスタ ク...