詰め物入りパスタの話に戻ります。
一番簡単な詰め物入りパスタは、丸いパスタなんですね。長い帯状の生地に詰め物を点々と並べて半分に折り、詰め物の周囲を閉じたら型で抜きます。
基本のアノリーニ↓
円の中心をちょっと下にずらすと半円形になります。
7㎝角程度の四角く切った生地の対角線上に詰め物を置いて閉じると、もっと複雑なトルテッリーニに。
まず下の角を詰め物にかぶせて折ります。
次に右の辺を詰め物にかぶせます。
さらに左の辺もかぶせます。
こうして完全に閉じるまで交互に重ねていきます。
トルテッリ・コン・ラ・コーダtortelli con la codaというパスタです。
サルデーニャのクルルジョネスにちょっと形が似てますね。
そもそもこういう閉じ方をするパスタは、生地を薄く延ばすことが大前提なので、軟質小麦粉と卵でつくります。なので中央~北イタリアの食文化にしか登場しません。クルルジョネスは硬質小麦粉のセモリナ粉の南イタリアのパスタ。硬質小麦粉のパスタは薄く延ばすのが苦手です。
クルルジョネス↓
クルルジョネスは餃子に近いかも。でも、軟質小麦粉で作るとここまで立体的にはならないので、餃子はどちらかと言うと、北イタリアのトルテッリ・コン・ラ・コーダの一種かな。
グアルティエーロ・マルケージシェフの代表作、ラビオロ・アベルトは、近代イタリア料理の代表作。閉じないラビオリ。初めて見たときは、その美しさにシェフってアーティストなんだと、実感しました。
ダビデ・オルダーニシェフのラビオロ・アベルト↓
ラビオロ・アベルトのアレンジでもう一つ、世界的にヒットしたのは、王の料理人や料理人の王という別名で知られるニーノ・ベルジェーゼのラビオリ。
アノリーニの拡大版。丸いラビオリの究極版。
このラビオリのポイントは卵を崩さないでゆでること。
ランテルネlanterneは、4辺を合わせて閉じるラビオリ。
下の動画ではファゴッティー二fagottiniと呼んで4:00頃登場します。
ラビオロ・アベルトの家庭料理的進化系。
モッツァレラを冷凍しておろして使います。↓
コッレ・バル・デルサ(トスカーナ)のリストランテ・アルノルフォのガエタノ・トロバートシェフもラビオリで創造力を発揮しています。↓
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