2021年10月1日金曜日

ミラノでは中華鍋が普及して野菜の食べ方が変わってきた。

今日のお題はキャベツから、サボイキャベツです。
サボイキャベツは英語の名前で、イタリア語だとverza/ベルザ。

ローマ人やギリシャ人にも愛された歴史の古い野菜。
英語名のサボイとは、サボイア家の、という意味で、サボイア家はフランスとイタリアの国境にまたがる地域の支配者一族で、イタリア国王を出した家系。
ピッツァで知られるマルゲリータ王妃もサボイア家の人。
ベルザ↓

ベルザの産地、モンタルト・ドーラ(トリノ県)のベルザの収穫祭↓

モンタルト・ドーラの城↓

隣町のイブレアは、オレンジをぶつけ合うカーニバルの奇祭で知られる。

農民の一揆がルーツの祭り。投げ方が容赦ない。そもそも、ピエモンテにオレンジはないので、この祭りで投げるために毎年シチリアからわざわざ500トン仕入れている。

ベルザ料理の話で必ず話題になるのが、最初の霜が降りた後(一般的には11月)に美味しくなる)という話。

下の動画では珍しくこの話はしていないけど、ベルザは地面に落ちたゼウスの汗から芽を出す、と言ってます。
ベルザの煮込みVerza stuafata

材料/
ベルザ・・1個
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル・・大さじ5、塩

・小さく切って洗ったベルザをフライパンに入れて水1カップを加える。火にかけて蓋をし、15分煮て取り出す。
・フライパンに油とにんにくを加え、ベルザを加えて蓋をして10分煮る。仕上げに塩少々で調味する。

これはあっという間にできるシンプルバージョン。

次のベルザータは、ベルザ推しの地方、ミラノの料理から、ベルザの外側の硬い厚い葉も芯も入れてじっくり煮込む料理。
ミラノ料理のおすすめ本、『クチーナ・ミラネーゼ
から、Verzata/ベルザータ。
材料/
ベルザ・・3個、1.2kg
スライスベーコン・・8枚
玉ねぎのみじん切り・・1個
セージ・・1束
バター・・50g
EVオリーブオイル・・30g、塩

・ベルザをくし切りにして洗う。フライパンに油とバターを熱し、細く切ったパンチェッタ、玉ねぎ、セージを入れてその上にベルザをのせる。塩をして火を弱め、蓋をして時々ベルザを裏返しながら最低1時間煮る。
・ポレンタやサラミーニ(定番はベルツィーニverzini)を添えてサーブする。

この本には、北イタリアでは野菜はコントルノとして食べるのが伝統だったが、中華鍋が普及して、ゆでるのと煮込む以外に、オリエントのようにさっと炒める方法が広まり、新しい北イタリア料理が生まれつつある。
ミラノでは、野菜は夏はサラダで、冬はキャベツや根菜のスープというのが定番だったが、暑い季節でも野菜を食べるようになった。


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