2021年10月2日土曜日

イタリアも農家が大幅に減って高齢化している。只今、新世代の若手に世代交代中。

昨日読んだミラノ料理の本に、さりげなく書いてあった言葉が、ずっと頭に残っています。
それは、北イタリアの食の伝統は、今、まさに、変わりつつある、というものでした。


変化は野菜の調理方法からも知ることができる。
煮込んで付け合せにするのが主流だった北イタリアの野菜料理が、中華鍋の普及で変わってきた。
高温でパパッと炒めるオリエントの調理方法は、栄養価の破壊も少なく、野菜の歯ごたえも残る。私達がきのうまでやっていたビタミンや風味が豊かな野菜のゆで汁を捨てる、ということも、見直されるようになってきた。
ミラノでは野菜は夏はシンプルなサラダ、冬はキャベツや根菜のズッパにする、という考えも変わってきた。

野菜と季節の結びつきの大切さは今も昔も変わらない。ミラノではトマトはサレルノより遅く熟す、ということはみんな知っている。
ただ、60年代には56%だった農業従事者が、現在はたった3%という衝撃の事実がある。しかも農民の大部分は60歳代だ。
今、農家を継ごうという人は、都会の大学で科学を勉強した後、故郷に帰って小さな農地つきの田舎屋を借り、土着の古代小麦を植えてパン作りから始める。そして野菜を栽培し、豚を飼って素晴らしいサラミを作る。
こんな若者の一人、エウジェニオ・フィオラーニは、詳しい市場調査後、イタリアで最初にルバーブを有機栽培して、オランダのハウス栽培のルバーブの半額で売り出した。

パンとサラミについて語るエウジェニオ↓。
とにかく伝統に縛られず、深く研究している。
一見保守的なパンとサラミの世界でも、新しい方法を模索している。

ミラノには、冬のキャベツは煮込む、という食文化がある。
フィオーラさんのサラミも、キャベツと一緒に煮込むつもりだったのかも・・・。


サルシッチャとベルザの煮込み、サルシッチャ・エ・ベルザSalsiccia e verza
材料/
玉ねぎ
ベルザ(サボイキャベツ)
サルシッチャ
白ワイン
塩、こしょう
EVオリーブオイル

・玉ねぎを粗みじん切りにする。サルシッチャは皮をむいてほぐす。ベルザを細く切る。
・玉ねぎを油で2〜3分ソッフリットにし、塩少々を加えて水分を出す。
・玉ねぎが透き通ったらサルシッチャを加えて数分炒める。
・ワインをかけてアルコール分を飛ばし、ベルザを加えて時々混ぜながら煮る。
・仕上げに塩、こしょうする。

ミラノとロンバルディアのシンボル的料理、カスーラは、ベルザと豚肉のお手頃な部位の煮込み料理。
カッスーラCASSOEULA 



詳しくは次回に。


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