2021年2月17日水曜日

畑の野菜もパントリーの豆も、ありとあらゆる種類を別々に調理する気の長いスープ、ヴィルトゥ。仕入先との関係が物を言う。

アブルッツォのレストラン。
今日紹介するのは、テーラモ中心部の店、ラ・カンティーナ・ディ・ポルタ・ロマーナ。
詳細は今月の「総合解説」P.48を御覧ください。
店のwebページはこちら

オーナーはテーラモ料理への造形が深い人物。
5月はヴィルトゥーを出しているそうです。
ヴィルトゥー作りは肉屋や八百屋巡りから始まります。
つまり食材の信頼できる入手先があることがこの、多様な旬の食材を使う料理の秘訣。

ちょっと長いけど、あらゆる食材を紹介しています。
彼のヴィルトゥーの材料は、
豆は冬が終わった時点で貯蔵庫に残っているもの。
具体的には、
いんげん豆(ボルロッティ)
小粒の白インゲン(カンネッリーニ)
大粒の白インゲン(コローナ・ディ・スパーナ)
いんげん豆(トンディーニ)
大粒のレンズ豆
小粒のレンズ豆
チェーチ

・豆は別々に水で12時間戻す。

生ハムの端の部分
生ハムの骨
豚足
豚の耳

豆のスープには欠かせない生ハムの骨のとり方↓


・これらを小さく切る。
・鍋に水、塩、ローリエ、クローブを入れて沸騰させ、豚皮、豚足、耳を入れ蓋をしてゆでる。

セイボリー
タイム
マジョラム
セージ
にんにく
葉玉ねぎ
セロリんで
にんじん
ローリエ
ディル
ボリジ
アッケシソウ
ビエトラ
メントゥッチャ
ほうれん草
エンダイブかスカローラ
チコーリア
ロメインレタス
アーティチョーク
グリーンピース
ソラマメ
さやえんどう
さやいんげん
にんにく
玉ねぎ
ナツメグ
クローブ
アスパラガス

ふう、長いリストでした。
そもそも、数世代に渡る大家族のための料理で、そんな家庭はたがやす畑も広いのだそうです。

テーラモではハーブはどの家庭でも自家菜園で栽培していたので、家にあるものを使う。
野菜もたっぷり使うので豆の消化を助ける。

乾燥豆を煮る。
・セロリ、にんにく、にんじん、玉ねぎをみじん切りにする。
・豚皮、足、耳は小さく切る。
・戻したレンズ豆を油、ローリエ、にんにくと一緒に水に入れて煮る。
・他の豆は香味野菜のみじん切りと一緒に油で炒めて鍋に入れる。
・豚の足や皮、塩を加える。

チェーチ
・鍋にオリーブオイルとにんにくを入れ、薄く切ったトマトを入れてさっとソッフリットにする。チェーチと水を加えて煮る。
グリーンピース
・鍋にオリーブオイルと玉ねぎを入れてソッフリットにし、グリーンピースと水を加えて煮る。
さやえんどう
・さやえんどうを小さく切る。
・油、にんにく、玉ねぎをソッフフリットにしてメントゥッチャとさやえんどうを加える。
・アスパラガスをゆでる。さやいんげんを加える。ボリジ、アッケシソウを加える。

すんごい種類の野菜を使うとは知っていたけど、こんなに手の混んだ作り方をするとは・・・。
しかもまだ下ごしらえ。
この後、手打ちパスタまで作ります。

・玉ねぎを炒めてソラマメと水を加える。
・エンダイブとチコーリアをゆでる。
・ロメインレタスをゆでる・・・。

正直言うと、普通の料理を訳す程度の考えで始めたら、永遠に終わりそうにないリチェッタで、もう今さら引くに引けず、ただ意地だけでここまで訳しましたが、限界です。
詳細は「総合解説」P.47に訳しました。
私が知る限り、一番多くの食材を使う料理です。
5月1日にしか作らないのも納得。

戦後、景気が良くなったら肉などリッチな食材を加えるようになって、この料理はすっかり変わってしまったとシェフは言っていますが、私には、すごいゴージャスな料理に思えました。

ダビデ・オルターニシェフの新世代のイタリア地方料理の本、

メイド・イン・イタリー


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メイド・イン・イタリー
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プーリアやカラブリアなど南伊各地の食文化も取り込んでいるシチリア料理。

なんとなく地味な気がして紹介していなかった本、 『 ピアッティ・ディメンティカーティ 』。 ちょっと読んでみたら、イタリアのじいちゃんばあちゃんたちの自慢の料理が、イタリアも日本も、親戚はおんなじだなあ、とほっこりするエピソードと共に語られていいて、なかなかいい本ではないですか。...