2021年2月15日月曜日

7人の美女とご近所みんなにふるまうために5月1日だけに作る料理、ヴィルトゥ。

ヴィルトゥVirtuなんて料理、聞いたことなかったけど、若手のカリスマシェフ、ダヴィデ・オルターニのイタリア地方料理の本、『メイド・イン・イタリー』に載っていて、ちょっと意外でした。

オルターニシェフはバリラのアカデミア・バリラの活動にも協力している↓


本にはヴィルトゥについてこんなことが書いてありました。
「アブルツォのテーラモの人は、“ヴィルトゥ”という、5月1日に作って食べるリッチな料理を考え出した。この料理には、7人の徳の高い美少女のために作られた、という言い伝えがある。なので鍋には何かしらの7種類の豆や野菜やハーブ、パスタを加える。具体的には春の終わりに貯蔵庫に残った食料を使い切って来たるべき春の新鮮な食物に備えるための料理だ。」
確かに、7種類の美徳より、7人の美女と言われるとすっと納得できるなあ。
それでは本のリチェッタをどうぞ。
今月の「総合解説」の翻訳はP.46です。

VIRTÙ/ヴィルトゥ
材料

《野菜と豆》
さやむきソラマメ・・250g
フレッシュグリーンピース・・250g
乾燥インゲン豆・・100g
ひよこ豆・・50g
レンズ豆・・50g
エンダイブ・・1/2個
ビエトラ・・1把
セロリ・・1本
にんじん・・1本
ほうれん草・・1把
メントゥッチャ、塩

・インゲン豆、ひよこ豆、レンズ豆を水で一晩戻す。水気を切り、軽く塩を加えた水でゆでて半分火を通す。
・にんじん、グリーンピース、ソラマメ、ほうれん草、ビエトラ、エンダイブ、セロリを別の鍋で塩ゆでする。
《肉》
豚皮・・200g
生ハム・・100g
豚足・・1本
豚の耳・・1枚
マジョラム
メントゥッチャ
こしょう

・別の鍋で皮、生ハム、足、耳を塩ゆでしてこしょうを散らす。
・肉を取り出して骨から外し、小さく切って鍋に戻す。
いんげん豆、ひよこ豆、レンズ豆、メントゥッチャ数枚、マジョラム少々を加える。

《バットゥート》
玉ねぎ・・1個
にんにく・・1かけ
トマト・・2個
イリアンパセリ
ラルド

・ラルドとイタリアンパセリを刻み、玉ねぎとにんにくのみじん切り、トマトの輪切りと一緒にソッフリットにする。

《仕上げ》
ダッテリーニ・リガーティ・・200g

・ブロードをソっフリットにかけてゆでた他の野菜を加えて一緒にゆでる。
・塩をしてパスタをゆでる。
・厚いうちにサーブする。

「総合解説」の伝統に忠実なリチェッタでは、食材ごとに調理するので下ごしらえに3日かかるそうですが、新世代のリチェッタは、もっと現実的。
でも、最初から大勢にふるまうことを考えてたっぷり作る楽しい料理です。
アブルッツォの料理人は地元の農民の季節の伝統に詳しい。
様々な食材を使うので、時間ははかかるけど見ていても楽しい料理。


確かに毎日は作れない。5月1日にしか作らないのは納得。

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メイド・イン・イタリー
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