2021年2月3日水曜日

イタリア料理は残り物をうまく活かす料理、パンくずも捨てない。

昨日、ナポリ料理の本のパンのフリッタータを訳した時、ナポリ人はなにも無駄にせずにあるものをやりくりして立派な料理に変えてしまう、とやけに自慢気に書かれていたのが何故かずっと気になっていました。
その後に、偶然、雑誌『la Cucina Italiana』のパン料理の記事の、こんな一文を見つけて、ちょっと納得しました。
それは
「イタリア料理の長所の一つは、残り物をやりくりして作り上げる料理、という点だ。なかでもパンは、たとえパンくずでも捨てずに全部使った」
というものでした。

なるほど、そう考えると、パンのフリッタータは生まれるべくして生まれた料理かも。
でも、さすがに今時の人はどうなんだろう、と思って、最近入荷して、なかなか紹介する機会がなかった本、

ピアッティ・ディメンティカーティ
を見てみたら、おばあちゃんが一人で切り盛りする田舎のオステリアみたいな料理の宝庫でした。
パンのフリッタータは、“卵、野菜、チーズ”の章にありますが、これがまた、少しの質素な食材から作る残り物料理の、ということはつまりイタリア料理の真髄が凝縮されていました。
ここで言うパンとは、残り物の固くなったパンのこと。
ここに紹介されている料理は、日曜日のごちそうじゃないけれど、毎日食べる、ありあわせのもので作る、お金をかけない料理です。
高級な食材は使わないので、肉も入りません。
代わりに刻んだサラミやスープを吸わせたパン、たっぷりのおろしチーズを使います。こうして、他に見たことのない美味しい料理を作り出します。
この料理を作る一番の秘訣は想像力です。
お金をかけた高価な食材は使えなかったけれど、なにより、お客がこれらの料理をリクエストしてくれたので、どんどん工夫して考え出しました。
その時の気分はシェフというより母親や奥さんだったかも・・・、と本には書かれています。


それでは、本からパンのフリッタータFrittata di paneのリチェッタをどうぞ。
田舎風の軽食かセコンド・ピアットで、手に入るもので作る料理です。
ポイントは、適度な硬さ。
牛乳は入れすぎると固まらない。
ラードの代わりにオリーブオイルやバター、または両方を使ってもよい。

材料/
固くなったパン・・500g
牛乳・・150~200g
卵・・3個
塩、ラード
《サラータ・バージョン》
こしょう
イタリアンパセリ
にんにく
小角切りのサラミか生ハム
《ドルチェ・バージョン》
砂糖
シナモン
ココアパウダー

・パンは耳を取り除き、温めた牛乳に浸す。
・卵・塩・こしょうを溶き、よく搾ったパンを加える。
・サラータの場合は他の材料を全部、もたは一部を加える。
・ドルチェにする場合は何も加えない。
・フライパンにラードがバターを溶かし、生地を入れて両面を焼く。
・ドルチェの場合は砂糖、シナモン、ココア少々を散らす。

パンのフリッタータのバリエーション、パンのポルペッテ。


プーリアにはこれをトマトソースで煮た名物料理(pappaiottule)があります。


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ピアッティ・ディメンティカーティ
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プーリアやカラブリアなど南伊各地の食文化も取り込んでいるシチリア料理。

なんとなく地味な気がして紹介していなかった本、 『 ピアッティ・ディメンティカーティ 』。 ちょっと読んでみたら、イタリアのじいちゃんばあちゃんたちの自慢の料理が、イタリアも日本も、親戚はおんなじだなあ、とほっこりするエピソードと共に語られていいて、なかなかいい本ではないですか。...