2020年4月10日金曜日

シチリア移民の惣菜店から世界中に広まったライスコロッケ

定番ストリートフード編、今日はアランチーニなんてどうでしょう。

パレルモのアランチーナ

詰め物入りのライスコロッケ。
パレルモでは女性名詞でアランチーナと呼びますが、パレルモ以外では男性名詞になってアランチーノ(そもそもシチリアでは果実はだいたい男性名詞)。
形も島のカターニアなど西側では先端が尖った円錐形、パレルモなど東側は球形。
エトナ山のふもとのカターニア地方では、円錐形はエトナ山を表している、というのが定説。
例によってこのめんどくさいシチリアルールは、シチリア人じゃないとちょっと分からないからただ受け入れるのみ。
ルーツについては諸説ありますが、これといって有力なものはなく、苦労して調べてもむなしくなるパターン。
諸説ある中の1つが、畑で働く人用の持ち運びできる食事として作られたというもの。
シチリア移民が経営する惣菜屋から世界中に広まりました。

カターニアにはアランチーニ祭りをする村もあります。

アランチーニの具は様々。
そもそも残り物を有効利用するのが家庭料理ですから、自由な発想でアレンジできます。
残り物で作ったラグーなどが代表的。

アランチーニには様々なリチェッタがありますが、今日は、シチリアを代表するワイナリー、プラネタのリチェッタをどうぞ。

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ


この本のリチェッタは、アランチーニから始まって、いちごのジェラートを挟んだブリオッシュで終わるという、さほど敷居が高くない、庶民のための純粋なシチリア料理を、インターナショナルなトップワイナリーらしく、世界中の人向けに美しい料理として再現したもの。
とにかくどの料理も洗練されています。
肉の具のアランチーニは本の紹介のページ(こちら)に訳をのせていますので、今回は
チーズの具のアランチーニARANCINI DI RISOS RIPIENE DI FORMAGIOを訳します。
材料/約25個分
米;
カルナローリ米・・500g
水・・1L
バター・・125g
グラナ・パダーノ・・50g
玉ねぎ・・35g
セロリ・・1本
にんじん・・1本
粉サフラン・・0.5g、塩
詰め物;
エメンタール・・225g
オランダチーズ・・125g
フォンティーナ・・100g
グリーンピース・・100g
グラナ・パダーノ・・50g
牛乳・・500ml
00番の小麦粉・・50g
バター・・25g
塩、こしょう
衣;
00番の小麦粉
溶いた卵・・2個
パン粉・・200g

・ブロードを作る。大鍋に水、塩、玉ねぎ、セロリ、にんじんをれて沸騰させ、火を弱めて弱火で最低30分煮る。
・野菜の軽いブロードが取れたら漉してサフランを加え、色付きのブロードにする。
これを米にかけて中~強火で米が完全にブロードを吸うまで煮る。米はアルデンテに煮上げる。
・広いオーブン皿に広げてバターとおろしたグラナ・パダーノを加え、混ぜて素早く冷ます。
・チーズの詰め物を作る。
・小麦粉をバターで炒めて温めた牛乳を少しずつ加え、濃いベシャメルにする。
・冷めたら小角切りにしたチーズとゆでたグリーンピースを加え、塩、こしょうで調味する。
・軽くぬらした手のひらに米を薄く広げ、中央に詰め物を少量のせて丸く包む。詰め物がアランチーニの重さの2/3、米が1/3になるようにする。
・アランチーニの表面を水でぬらし、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて熱した油で揚げる。



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総合解説

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ

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