2020年4月21日火曜日

シリアル・グリラーの憧れ、フィオレンティーナ

今日の「総合解説」のお題は、『サーレ・エ・ペペ』
の編集長のエッセイ。
テーマは、ビステッカ・フィオレンティーナ。
世の中には、“シリアル・グリラー”と呼ばれる人がいるそうです。
まあ、ダジャレを解説するほど野暮なことはないけど、これは、シリアル・キラー(連続殺人犯)のダジャレですな。
何でもバーベキューにしたがる人のことだそうですよ。
日本語にするなら、焼き肉奉行、あたりでしょうか。

人の焼き肉を指図してでも自分の思い通りに焼かせたいという、焼き肉に強いこだわりを持ち、かつ定期的に肉を焼きたくなる人は、イタリアにもいるんですねー。

そんなシリアルグリラーにとって憧れの食材はフィオレンティーナです。

ビステッカ・フィオレンティーナ

フィレンツェの肉屋は肉を語る語る・・・。

フィオレンティーナは15~24ヶ月齢の牛のロースを最低15~20日間熟成させたヒレとサーロインを含むTボーンステーキですが、
それだけでなく、フィレンツェの肉屋と牛の飼育農家の美食文化の結晶でもあります。

昔はフィオレンティーナになるのはキアニーナだけだけでしたが、今はマレンマ、マルキジャーナ、ピエモンテーゼなどと各種あり、フランスやスペインまで仕入れに行く肉屋も珍しくないとか。
何しろ、フィオレンティーナは肉が80%で残りの20%は技術とサービスだそうですよ。

フィオレンティーナを焼く時は、ただ肉を焼くのではなく、奉仕するという気持ちが必要なんだそうです。

炭火で焼くビステッカ・フィオレンティーナ

サムネでワインが飲める!
ただし、あまり重すぎない赤が会います。

肉は、厚さは指4本分というのが定説ですが、これだと厚すぎて中まで火が通らないので指3本分が適当。ちなみに薄すぎると肉が立たない。
これを最低2週間~4週間熟成させた、重さは最低1.5kgのTボーンステーキ。
塩は細粒塩と粗塩、またはマルドン塩などの薄片の塩。
炭は樹脂が少なくて硬いオークの炭を高温に熱し、灰で薄く覆われたもの。
網は10cm離して置き、熱します。
肉には1cmの切り込みを入れておきます。 両面と骨を下にした側面の3面を焼く。
約1.7kgの肉の場合、焼き時間は片面約4分。時間は肉の大きさだけでなく、熟成具合などにも左右されます。
塩はまず細粒塩を全体に散らして肉に均一に入り込ませ、次に粗塩を散らして表面に留まらせ、メイラード反応を助けます。

そうそう、フィレンツェとトスカーナはビステッカ・フィオレンティーナをユネスコの無形文化財に立候補するそうですけど、このご時世、どうなるかな。


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総合解説
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