2020年4月5日日曜日

トレントのパンのニョッキ、ストランゴラプレーティ

ジョヴェディ・ニョッキ』に話を戻します。

ニョッキを作る時、じゃがいもの質がポイントということはわかりましたが、ニョッキはじゃがいものニョッキだけじゃないんです。
本では、パンやリコッタのニョッキも紹介しています。
まずはストランゴラプレーティstrangolapreti。

トレント地方のパン(2~3日たったパンのパン粉)のニョッキです。
ビールといただきます。
単純に作り方だけを見るとニョッキより簡単に作れそう。
キリスト教の重要な会議、トレント公会議(1545~1563)が開かれた間、各地からトレントに集まったグルメで大食漢のえらい聖職者たちに気に入られた料理。

ほうれん草のストランゴラプレーティSTRANGOLAPRETI AGLI SINACI
材料/4人分
生か冷凍のほうれん草・・500g
固くなったパン(スパッカティーナ/小型の白パン)のクラム・・130g
卵・・2個
小麦粉・・大さじ2~3
牛乳・・1カップ、塩
溶かしバター
おろしたグラナ・パダーノ

・塩を少量加えた熱湯でほうれん草をさっとゆでよく絞る。約200g
・パンから皮を取り除き、同じ大きさの小片に切って大きなボールに入れる。温めた牛乳をかけて吸い込ませる。
・パン、卵、ほうれん草、塩少々を混ぜ、小麦粉を大さじ2ずつ加える。
・手に水をつけて少量ずつ大きめに丸め、軽く平らにして小麦粉を薄くまぶす。
・塩少々を加えた熱湯に入れてゆで、浮かび上がったら穴開きレードルで取り出してさらに盛り付ける。
・溶かしバターをかけておろしたチーズをたっぷりかける。

ストランゴラプレーティ

トレント地方の名物料理、カネデルリもよく似ています。

ストランゴラプレーティもカネデルリも、典型的な貧しくて質素な山の農民料理。
昔は残り物で作る空腹を満たす料理でしたが、今はリストランテの上品で洗練された伝統料理に生まれ変わっています。

考えてみると、イタリアの地方料理は、どこも手に入るギリギリのありあわせのもので作る質素な倹約料理ですが、北の山岳地のトレンティーノ・アルト・アディジェの料理は、中でも最たるもの。

南イタリアでは、豚肉を保存する時は塩漬けにしましたが、この地方は塩も高価で手に入らないので、スモークして保存しました。
その結果がスペックです。

パン(ライ麦パン)は毎日とか毎週焼くものではなく、年に2、3回しか焼きませんでした(なんですと!?)
そこで天井から吊るしておき、必要な分だけカットして食べました。
この地方の料理のキーワードは貧しさ(涙)。
でも、中央ヨーロッパの大国、ドイツやハプスブルクの影響を受けた文化が豊かな大自然の中で花開いた地方で、美味しいワインの産地。
トレント

今日のおまけ
紫いものニョッキ

本では緑色が美しい抹茶のニョッキも紹介されています。

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「総合解説」
ジョヴェディ・ニョッキ
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