2024年1月24日水曜日

秋は、バカンスの浮かれた思い出からきっぱり決別する季節。地中海の住民が、冬にそなえて生き残ることに本気になる季節。キリギリスがアリに変身しています。

(CIR2012年11月号)のリチェッタの解説です。
今までのテーマは、各地の特産物を使った料理(9月号)とか、各地の伝統料理をモダンにアレンジ(10月号)とか、バカンスで訪れたビーチの名物や名物料理などと、バカンスの楽しい思い出に浸りきっていて、はたで見てても、いつまでも引きずってるなあ(笑)という感じでした。
それが、11月号のテーマは、「残り物を出さない料理」ですよ!
何が起きたんだ、と思いますよね。でも、ちょっと落ち着いて考えれば、分かります。
どうやら、イタリアに、秋が訪れたんです。
それにしても、イタリアで秋が訪れるというのは、寒くなって紅葉が始まる、なんていうこと以上の変化、なんですね。
それがよ~く分かったのは、今月の(CIR)の記事、《山の食事》を読んだ時でした。

イタリアの主役が海から山に移るこの季節。
地中海地域のイタリアの生活圏は、アルプスの高山地帯まで、上ります。

アドリア海。


アルプスの冬。


海も山も美しいけど、住むなら、やっぱり海辺。でも、きれいだなあ、なんて言ってるようじゃ、まだ甘い。冬の山の生活は、命かかってます。
残り物を出さない料理を笑う人は、残り物に泣くのです。
大げさと思ってる場合じゃないです。真剣に取り組まなくては。
アリがキリギリスに変身しようとしています。

(CIR)の今月のリチェッタには、基本的には切り落とし野菜などを有効利用した、もったいないの精神に満ちた、冬の山の暮しを乗り切るための心構えが詰まっています。
でも、まずは《山の食事》の記事を読んでください。イタリアの山で冬を過ごすために、どんな食文化が生まれたのかを見てみましょう。

ロンバルディアの山の食事。ディエータ・アルビーナdieta alpina(山の食事)はユネスコの無形文化遺産にノミネートされています。アルプス周囲の7か国がパートナー。


ちなみに地中海の食事はdieta mediterraneaこれも無形文化遺産。



厳しい気候と痩せた土地、物流が困難な地域であるアルプスの食事のシンボルは、牛乳、ポレンタ、野菜のミネストラ。渓谷ごとにわずかな食材で作る本質的で個性的な自然との結びつきを象徴する料理。
地中海料理に欠かせない温室で育てた野菜、柑橘果実、オリーブオイルはありません。

まず、なんと言ってもポレンタです。



=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~10月号です。
定期購読は2021年からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。
(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]
=====================================

0 件のコメント:

パスタ・フレスカにはアルデンテの概念はない、と言い切るベネチア人。ベネチアのパスタはパスタ・フレスカ。でも、世界中の人は乾麺のパスタを求めるので、独自の道に進化させはじめた。

ベネチアの象徴、“ハリーズ・バー”では、パスタ・フレスカを出しています。 自伝的本、『ハリーズ・バー』には、パスタ・フレスカにはアルデンテという概念はない、というアッリーゴ・チプリアーニの話が綴られています。 ちなみに、アッリーゴは創業者ジュゼッペの息子です。創業者の名前はハリー...