今日のお題は米、カルナローリ米です。
(CIR10月号)の記事によると、
2017年から、カルナローリ米に、オリジナルのカルナローリ100%であるアルティジャナーレの米を意味する新しい表示、“Carnaroli classico”というのが認められたそうです。
こと米に関しては、日本とイタリアの米事情はかなり違うことがあります。
そもそも米は、米をピエモンテのシンボル的産物と語るピエモンテ州が出した大力作の本『リーゾ』
ピエモンテの米。
によると、
米の歴史は、
これまで聞いたこともないインドの神話から始まっていました。
それによると、主役はインドのシヴァ神。シヴァ神はインドの美しい村娘レナに恋をして、彼女を不死にするためにプロポーズします。すると娘は、彼女のために新しい作物を授けてもらう、という条件で結婚を受け入れます。そこでシヴァ神は世界中にこの食べ物を探すために召使を送り出しました。ところが召使はこの作物を探し出すことができず、待ちつかれたシヴァ神は、娘を手籠めにしてしまいます。そして娘はガンジス川に身を投げてしまうのです。
すると、河のほとりに細い植物が1本生えてきました。その中には白金色の粒が入っていました。これはレナの魂と、彼女の望みがよみがえったものでした。
もお、どこぞの昼メロかという展開ですが、それより、こんな聞いたこともない話が、ヨーロッパのピエモンテでは信じられていたことにもびっくりです。
アラブや南米発祥という食物には慣れているヨーロッパも、さすがにシヴァ神やガンジス河が出てくる話だと、ついていけないだろうなあ。と思いきや、まだこんなもんじゃなかった。
こうしてアジアには米の信仰が広まり、日本の神道には稲荷という神様まで生まれたのです。
へえ~。そうでしたか。勉強になります。
京都の稲荷大社。
米の歩みは、さらに広がっていきます。インドからメソポタミアへと進み、ペルシャ王のダリオの戦いとかいう聞いたこともない戦争によって、商人によってチベットの山の中にまで伝わります。紀元前330年には、アレクサンダー大王に同行した学者によって、米の栽培方法が地中海に伝わります。
いや、米の歴史にアレクサンダー大王が出てくるなんて・・・。
これは私が知ってる米じゃないかも・・・。
古代ローマ人も米の存在は知っていましたが、米をスパイスや薬として扱いました。
地中海沿岸に広まる前に、米はエジプトに到達しています。
ヨーロッパでは、アラブ人の到来と共に歴史が変わりました。アラブ人に征服されたスペインに伝わり、やがてイタリアにも伝わります。
一説には十字軍が持ち帰ったと主張する人もいます。
アラブ人にスペインとくれば、シチリア王国まではあと少し。
極東と交流があったベネチアの影響を指摘する説もあります。
イタリアの米の歴史。
イタリアに伝わった米は土地を灌漑する資金と力を持った支配階級によってその領地に広まっていきます。
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