2024年1月18日木曜日

カセンティーノのスコッティッリアは陸のカッチュッコとか農民版カッチュッコとか言う家禽肉全部入りの豪華な煮込みだったが、猪が増えすぎた地方では、スコッティッリアは猪肉だけで作る。

今日の料理は“スコッティリアscottiglia”です。
昨日からこの料理の話をしようと思っていたのですが、なぜか昨日は大脱線してカッチュッコ
の話に突入してしまいました。
それというのも、スコッティリアは、「陸のカッチュッコとか、カッチュッコの農民版とか呼ばれている」という短い説明が、あまりにもよくこの料理を言い当てていたので、まずはカッチュッコの説明から入ったら、面白くなっちゃったのでした。

でも、カッチュッコが売れ残った魚で作る料理なら、これは、手に入る手ごろな値段の肉の煮込み。手に入る肉をなんでも煮込む、残り物を有効利用した料理。
(CIR10月号P.37)の説明にもある通り、スコッティリアはトスカーナの得意分野、農民風ズッパの一種です。農民風ズッパと言えば、豆と野菜が主役と考えますが、この料理の主役は違います。その理由は発祥地。マレンマ地方やアレッツォ県のカセンティーノが発祥地と言われています。

基本的には、農村で飼われていた各種の家禽の白肉の煮込み。鴨、鶏、七面鳥、ホロホロ鳥、豚、うさぎ、子牛肉など最低4種類。地方によっては子羊や子山羊と、都会の人間からすると、超絶豪華な、どこぞのご領主さま向けの料理。というのも、発祥地と考えられているグロッセ―ト地方の平野は、移牧のルートの途中にあったので、子羊肉や山羊肉が手に入ったのでした。
さらに現在では、この地方に増えすぎた猪肉の煮込み料理にもなっています。1種類の肉だけを使ったものもあります。
農民料理には絶対的なリチェッタというものがなく、作り手の状況次第で、主役が柔軟に変わります。

カセンティーノ。

アレッツォ、シエナ、グロッセ―トを通る移牧。羊飼いちゅーよりカウボーイの雰囲気。


各種の家禽肉を使うバージョンのスコッティリア。

猪肉のスコッティッリア。

煮込みは硬い肉を美味しく食べる方法。とにかくのんびりとじっくり煮る。

子羊肉のスコッティッリア。

マレンマ地方のスコッティッリアがスペチャリタの店、その名もスコッティッリア。

スコッティッリアなんて正直言って聞いたことなかったけど、動画はたくさんあってちょっとびっくり。

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