今日の料理は“スコッティリアscottiglia”です。
昨日からこの料理の話をしようと思っていたのですが、なぜか昨日は大脱線してカッチュッコ
の話に突入してしまいました。
それというのも、スコッティリアは、「陸のカッチュッコとか、カッチュッコの農民版とか呼ばれている」という短い説明が、あまりにもよくこの料理を言い当てていたので、まずはカッチュッコの説明から入ったら、面白くなっちゃったのでした。
でも、カッチュッコが売れ残った魚で作る料理なら、これは、手に入る手ごろな値段の肉の煮込み。手に入る肉をなんでも煮込む、残り物を有効利用した料理。
(CIR10月号P.37)の説明にもある通り、スコッティリアはトスカーナの得意分野、農民風ズッパの一種です。農民風ズッパと言えば、豆と野菜が主役と考えますが、この料理の主役は違います。その理由は発祥地。マレンマ地方やアレッツォ県のカセンティーノが発祥地と言われています。
基本的には、農村で飼われていた各種の家禽の白肉の煮込み。鴨、鶏、七面鳥、ホロホロ鳥、豚、うさぎ、子牛肉など最低4種類。地方によっては子羊や子山羊と、都会の人間からすると、超絶豪華な、どこぞのご領主さま向けの料理。というのも、発祥地と考えられているグロッセ―ト地方の平野は、移牧のルートの途中にあったので、子羊肉や山羊肉が手に入ったのでした。
さらに現在では、この地方に増えすぎた猪肉の煮込み料理にもなっています。1種類の肉だけを使ったものもあります。
農民料理には絶対的なリチェッタというものがなく、作り手の状況次第で、主役が柔軟に変わります。
カセンティーノ。
アレッツォ、シエナ、グロッセ―トを通る移牧。羊飼いちゅーよりカウボーイの雰囲気。
猪肉のスコッティッリア。
子羊肉のスコッティッリア。
スコッティッリアなんて正直言って聞いたことなかったけど、動画はたくさんあってちょっとびっくり。
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