今年の“イタリア料理ほんやく三昧”、再開します。
最初のお題は、(CIR10月号)から、“ラグーragù”です。
ラグーはイタリアの国民的料理の一つ。
ほぼすべての州に個性的なラグーがあります。
特に有名なのはボロニェーゼとナポレターノ。
その語源はフランス語で、小さく刻んだ材料の煮込みを意味するragout。
イタリア語でもラグーragùというけど、スペルが違います。
英語のミートソースと、イタリア語のラグーは、違うもののような印象があります。
イタリアのラグーは、とにかくじっくりことこと煮る家庭料理のご馳走。
そもそも煮込みは硬い肉を食べやすくするための方法。
そこにトマトが加わってラグーになりました。
じっくりコトコト煮たラグーは、おふくろの味の代表的な1品。
その懐かしい味は、間違いがない、伝統料理のトップクラスです。
(CIR10月号の記事P.27)には、ボロニェーゼとナポレターノを含むイタリアを代表する4品のラグーのリチェッタが載っています。
ボローニャの人はスパゲッティにラグーをかけるのは邪道、と言いますが、ボローニャではラグーはタリアテッレにかけるもの。さらにややこしいことに、ナポリでは、細くて長い麺にラグーをかけるのは、冒涜だそうです。じゃ何にかければいいの?となりますが、長い麺は折ってゆでます。代表的なのはマッケローニ、ペンネ、ジーティのような太くて短い硬質小麦粉の乾麺にかけます。
ボローニャの商工会議所には、イタリア料理アカデミーによって公式リチェッタが登録されていますが、食材を現代風にしたリチェッタもあります。
ボローニャ人とラグー。
ラグー・アッラ・ナポレターナ。
この本のエミリア・ロマーニャ州の章には、タリアテッレとラグーについて詳しい考察がされています。それによると、エミリア・ロマーニャは、ポー河沿岸の穀物やワイン造りに適した肥沃な土地と交易に適した交通の要所だけれど、その料理は、あるものを有効利用して作る貧しい料理。とあります。家庭の主婦は前日の残りものを使い、パンをおいしく食べるために工夫して料理を作りだしました。
ラルド、にんにく、玉ねぎ、ポロねぎ、チコーリアなどの野草、少量のミルクとチーズ、豚肉は年に一度、豚を捌いた時だけ手に入り、料理のベースになったのは、地元で栽培している野菜です。玉ねぎが主に使われました。
やっぱりラグー・アッラ・ボロニェーゼを知るにはボローニャを知る必要があります。
ボローニャの市場。
(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
■ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
■ブログ『イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
、(CIR2021年10月号)
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズ
『スーゴとソース』
『ハリーズ・バー』
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]
====================================
0 件のコメント:
コメントを投稿