サルーミは、イタリアの恵まれた気候とイタリア人の職人気質から生み出されるイタリアの田舎の宝石。
今日は、豚肉料理の話。
まずはヒレを1本使う料理、ミルク煮。
ヒレは牛でも豚でもフィレットfiletto。背骨の中央部分で、ほとんど運動しない部位なので、柔らかくてとても上質の部位とされています。
一般的にヒレと言えば牛や子牛料理の部位ですが、北イタリアではサルーミ用に豚を大きく育てる伝統があるので、北イタリアでは豚のヒレ肉料理も普及しました。
ちなみに、イタリアの養豚の中心地、エミリア・ロマーニャの養豚技術は世界一だそうです。
フィレット。
ヒレ1本を丸ごと使う料理の典型。
エミリア・ロマーニャと言えば、イタリア料理を1冊の本にまとめて近代イタリア料理の父と呼ばれるペッレグリーノ・アルトゥージは、この地方の人でした。
彼はイタリア料理史上の重要人物なので、料理人なら特に説明しなくてもよく知ってるはず。
豚ヒレのミルクローストはアルトゥージが本で取り上げているのでリチェッタも広まっています。
アルトゥージのリチェッタの豚肉のミルクローストMaiale arrostito nel latte。
材料/
豚ロース・・1塊、1.5㎏
牛乳・・1.5ℓ
にんにく・・2かけ
ローズマリー・・1枝
EVオリーブオイル、塩、こしょう
じゃがいも・・3個(好みで)
・鍋に油を熱し、ロースト用の網で包んだ肉を入れて表面全体を焼く。
・熱した牛乳、にんにく、ローズマリーを加える。沸騰したら蓋をしてとろ火にし、煮汁をかけながら3時間煮る。
・肉を取り出してて網を取り除き、冷ます。崩れないように冷めてからスライスする。
・煮汁を濾して必要なら煮詰める。またはコーンスターチでつなぐ。
・またはじゃがいもを入れて15~20分煮る。
・肉をスライスして皿に盛り付け、じゃがいもを添えてソースをかける。
・肉が柔らかいのでフォークで切れます。
豚のローストで人気なのがすね肉のビール煮stinco alla birra。
そしてもっとイタリアンなのは、エレガントな子牛肉のロースト。色あいからして違います。子牛肉のローストには比較的赤身で結合組織が少なくて調理時間の短い部位、または骨に守られて加熱しても水分が抜けにくいカレなどの赤身肉を使います。
子牛のカレのオーブン焼きロースト。
もっと地中海的なイタリアンになると、骨付き肉でもフライパンで作ります。ブラチョーレ。
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