ヴァッレ・ダオスタの料理はアルプスの料理。フォンティーナチーズやバターが欠かせない
。高原でのバター作り。
夜明け前の暗い中で作っているバターは豆腐みたい。
そしてライ麦パン
マグカップは銅製。イタリア人にとってもこの地方の食文化は古代から特殊だった。
ライ麦パンは年に1、2回しか焼かないパン。この地方は小麦じゃなくてライ麦が食文化のベース。寒い山の上でも育つライ麦ですが、そもそも、食物が育ちにくい山の上で、1900年代にはヴァッレ・ダオスタには8000haのライムギ畑があったのに、今はわずか24haだそうです。重労働なライ麦の栽培は現代の生活には合わず、今では生きるためではなく、地元の食文化の伝統を守りたい、という情熱から栽培されているのだそう。
でも、ここで興味深い現象が起きました。
これは小麦に対しても見られたことです。
つまり、古代小麦の価値が現代ではすっかり見直されたのと同じで、昔から変わらない製法で地元の農民だけが苦労して栽培していたライ麦は、市場に合わせた品種改良や遺伝子の選択が行われなくなった結果、今では貴重な探しても手に入らない穀物となったのです。その価値は、今すぐでなくてもいつか認められるはず。ヴァッレ・ダオスタの農民は、その時までライ麦が消滅しないように伝統を守りながらじっと待っています。こういう情熱が込められた作物や食品が多いのがイタリアの食文化の大きな特徴。まさに情熱的な国民です。
最後はヴァッレ・ダオスタの貴重な山の生ハム、ジャンボン・ド・ボス。ヨーロッパで一番高い場所で造られている生ハムだそうで。山のハーブ入りの干し草を熟成庫の床に敷いてその上で熟成させます。山の上で豚を飼うって大変そう。
ヨーロッパ一標高が高いと言えば、ヴァッレ・ダオスタの白ブドウ、ブリー・ブランはヨーロッパで一番標高が高い、モンブランの麓て栽培されています。
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