2023年4月26日水曜日

ショートパスタの世界では、機械にしかできないパスタと人間にしかできないパスタが生き残りをかけてぶつかり合ってた。

さて、ショートパスタです。
工場で大量生産しにくいパスタ。
逆に器用な指先と編み棒が1本あれば、どんな形でも思いのまま。
一方ショートパスタはダイスを通して生地を押し出すトラフィラトゥーラtrafiraturaで造られるロングパスタを、回転するカッターで短く切って作ります。それまではロングパスタを折る製法だったショートパスタが、この技術によって変わりました。
トゥベッティtubetti、ディタリーニditalini、グラミーニャgramigna、ペンネpenneあたりが代表的。

ショートパスタの製造過程。

ファルファッレ。長方形に切った平らな生地の中央をつまむ。平らな生地を作るまでは職人の伝統の技。

ルマーケ。このあたりからわからなくなってくる。


コンキリオーニ。大きな貝という意味。機械と職人の技を組み合わせて作るショートパスタ。オレッキエッテの仲間。


現代になると、ソースをからめる、という目的のためにオリジナルの新しい形のショートパスタが生まれました。

ラディアトーリradiatori、ラジエーター。こうなると、人間の手の入る余地ないです。もちろん伝統もない。

クレステ・ディ・ガッロ、とさかという意味。これは機械では絶対にできないパスタ。キャラパスタできそう。


形にこだわったパスタはソースの具材との組み合わせが難しい。でも、今月のCIRのシナトラのファルファッレ(リチェッタはP.6)のようなクリーム系パスタは、具材の形を選ばない。

これは空飛ぶ円盤。

これはベスビオだって。もちろんカンパーニアのあの火山。


造り手は、上質パスタのメーカー、レ・ジェンメ・デル・ベスビオ。伝統的なグラニャーノの製法でパスタを作っている若くてとんがった会社。
彼らの財産は新しい形のパスタを生み出すブロンズのダイス。

伝統への敬意と若い発想が今後のイタリアのパスタのキーワードかも。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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