2023年4月27日木曜日

ミラノに嫁いだおばあちゃんがベネト訛りと一緒に故郷から持ってきた料理とか、美味しい匂いがするとノンナが来たと分かるケーキとか、涙・・・。

今月のCIRのリチェッタのテーマは、“おばあちゃんの料理”でした。
ショートパスタの盛衰を見るうちに、思いがけず、おばあちゃんの料理の現代の食生活の中で果たす役割も実感しました。
家庭で料理に時間をついやす、というかつては主婦が担っていた役割が、完全におばあちゃんの仕事にになり、家庭のぬくもりがおばあちゃんの料理を通して孫たちに伝わっていたのでした。
道端でノンナがオレッキエッテを作る様子はプーリアの観光名物。

今回の記事では、孫がおばあちゃんの料理の思い出も語っています。特に印象に残ったのは、
『ビチェンツァからミラノに嫁いだ祖母がベネトなまりと一緒に故郷から持ってきたものの一つがこの料理だった』というホロホロ鳥のイン・テーチャ(P.12)。
そして『祖母は40歳でアルゼンチンに渡った。孫の家に来ると明け方までイタリアや料理のことを話してくれ、朝の3時に朝食を作ってくれた』というエピソードのきのことチーズのストルーデル(P.10)。
祖母と孫の愛情いっぱいの関係が伝わってきます。
オシャレな食材は使わないし分量も大雑把だけど、ノンナの料理は機械じゃできない、人間にしかできない料理。
プリーモの3品め、“ミネストローネ・グラティナ―ト”(P.6)はおばあちゃん考案の孫たちに好評の料理。
ミネストローネやズッパはおばあちゃんの料理の定番。
この料理はそんなド定番のミネストローネに大胆なアレンジ、というか孫が好きそうなアレンジを加えた1品。
そのアレンジは、グラティナーレ。ミネストローネにベシャメルをかけて焼く、という、おばあちゃんが自分のためには絶対にしないアレンジ。
ノンナの料理のお薦め本は、
ノンナが一人で切り盛りしている田舎のオステリアのような料理が100点収録された本。

マンマ・ミーア

は、おばあちゃんというよりは、姑さんが嫁に料理を教えてくれる感が満載のあったかくて楽しい本。“ズッパ”の章の料理には金言のような小さなアドバイス付き。

ミネストローネと言えばノンナの料理。

野菜はおばあちゃんが孫にたっぷり食べさせたい食材。野菜の下ごしらえはちょっと面倒だけど、孫と一緒に昔話をしながら作るのはおばあちゃんも楽しいよね。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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