2023年4月15日土曜日

コーヒーにのせるホイップクリームもビスコッティにのせるピスタチオも山盛りにするのが一流の流儀。

ピスタチオの話に戻ります。
ビスタチオ全体のわずか1%でしかないブロンテ産ピスタチオですか、この貴重なピスタチオが何に使われているかというと、ジェラートです。
イタリア人は年間一人当たり15㎏のジェラートを食べているそうですが、600種類もあるジェラートのフレーバーの中で、特に人気なのが、チョコレート、ヘーゼルナッツ、レモン、ストロベリー、クリーム、ストラッチャテッラ、そしてピスタチオの7種類です。
最近は地元の旬の食材を使うジェラートが人気なんだそうです。
ブロンテのピスタチオは春に出た芽を1年おきに取り除いて翌年の実に養分を回すので、2年に1度、9月に収穫します。

ブロンテのピスタチオのジェラート。

下の動画はナポリの歴史的カフェ・ガンブリヌスのカフェ・ピスタチオ。
実はジェノバのカフェでたまたまメニューの一番上にあったカフェ・アル・ノッチョーラ(ヘーゼルナッツコーヒー)というのを頼んだことがあります。ホイップクリームまではほぼ一緒で、確かヘーゼルナッツクリームがかかってました。ホイップクリームがのったコーヒーは日本のウインナーコーヒーしか知らなかったけど、山盛りのホイップクリームに心を打ちぬかれました。しかもさらにピスタチオなんてゴージャスすぎる。


今日は、シチリア料理のお薦め本、『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ

から、ピスタチオのビスコッティのリチェッタをどうぞ。
ちなみにすでにこの本は売り切れていますので、ご要望があれば中古本を探します。
イタリアのワインメーカー、プラネタ家の家族のリチェッタや一族が経営するホテルレストランの世界中の美食家向けの洗練されたシチリア料理の本です。プラネタはシチリア各地にぶどう畑を所有していて、ワイナリーの位置ごとにその地方の料理を紹介しているという点がとても興味深い本です。
ピスタチオは、エトナ山の麓の食材。本のエトナという分類の中に、このビスコッティのリチェッタはあります。
ヨーロッパ最大の活火山、エトナ。その周囲は、火山の豊かな恵みを受けてきました。中でもピスタチオは“緑の金”と呼ばれる火山の麓で生まれる長命の強い樹だそうです。味は繊細で強く、鮮やかな緑色の実が濃いピンク色の皮に包まれています。エトナ地方では、ピスタチオだけでなく、いちご、チェリー、桃、りんごなども昔から栽培されています。エトナの果実は他の火山の果実と違って、風味が強いのが特徴だそうです。
地元のパスティッチェリアの主役はピスタチオ、アーモンド、蜂蜜。
さらにこの地方を代表する特産品は、エトナ山近くの山、ネプローディで飼育されているネプローディの黒豚です。
プラネータは2006年にエトナ山の北側の麓にぶどう畑を所有しています。

2020年のエトナ地区のプラネタの収穫の報告。

ブロンテのピスタチオのビスコッティ。

材料/
アーモンドプードル・・100g
粉末ピスタチオ・・100g
粉糖・・100g
卵白・・2個
ピスタチオクリーム
刻みピスタチオ

・アーモンドプードル、粉末ピスタチオ、粉糖を混ぜて卵白を加える。星口金をつけた絞り袋に入れ、シルパットのシートの上にまるくしぼりだす。
・表面に刻みビスタチオを散らして中央をくぼませ、冷蔵庫で最低1時間休ませる。
・180℃のコンベクションオーブンで7分焼く。

ピスタチオのビスコッティは仕上げにピスタチオをまぶすのが特徴です。大抵は粉のように細かく砕いたピスタチオを散らしますが、プラネタのビスコッティは大粒のごろごろのピスタチオを遠慮なくまぶすゴージャスな演出。食べる前から香ばしい香りが漂ってきそうです。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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