2023年4月19日水曜日

チコーリアはラツィオを始めとする中央イタリアで大人気の野菜。パンとの相性も良い。ちなみに種まきは下弦の月、収穫は上弦の月の期間が適しているそうです。

春のほろにが野菜、肝臓に効くチコーリアの話、続けます。
芽を食べるチコーリアの代表格、プンタレッレ。

カタローニャチコリの芽です。ローマの名物野菜として知られています。
カタローニャの下処理。
大きな塊の外側の葉を外すと出てくる芽の塊。
これを土台から外して薄く切って氷水に45分ぐらいさらして苦さを消すとともにカールさせたものがプンタレッレ。

ローマのプンタレッレの定番ソースは、アンチョビ、にんにく、オリーブオイル、ビネガーをミキサーにかけた塩味を整えたもの。
イタリア料理の三種の神器、アンチョビ、にんにく、オリーブオイルが入っていて、バーニャカウダにそっくりですねー。つまりプンタレッレはバーニャカウダで食べるのにぴったりの野菜、ということです。
それにしても剥がした大量の葉っぱはどうなるのか、気になるところです。
ローマ料理のお薦め本、『クチーナ・ディ・ローマ・エ・ラツィオ

によると、チコーリア、とうかチコーリア・セルバティカは、ローマやラツィオで最も愛されていてもっとも料理に使われている野菜だそうです。
あのほろ苦さが肉の伝統料理のコントルノとしてよく合うし、オリーブオイルでにんにくと一緒にリパッサ―タにするのが人気だそうです。
私はプーリアで初めて食べましたが、その日以来、毎日食べ続けるくらいドはまりしました。

本からリチェッタを訳してみます。
チコーリア・リパッサータcicoria ripassata

材料/4人分
チコーリア・・1㎏
EVオリーブオイル・・大さじ6
にんにく・・2かけ
塩、唐辛子(好みで)

・チコーリアの傷んだ葉や硬い葉を取り除き、水で繰り返し洗って汚れを落とす。
・たっぷりの湯で塩ゆでして水気を切り、2枚の皿にはさんでよく絞る。
・さらに潰したにんにくと一緒にフライパンでリパッサーレし、塩と刻み唐辛子を散らす。

ゆでてからさらにソッフリットにするので《リ》パッサ―レ、という訳ですね。
この苦みが完全に消えてくたっとなった具合が美味しいんですよ。

この本をお持ちなら、リチェッタの次のページを1ページめくってみてください。
驚きの姿に盛り付けられたチコーリア・リパッサータが2品、あります。
左はマグカップにぎゅうぎゅうに詰めて中央にフォークをぶっ刺したもの。右はテニスボールやおにぎりのようにやや大きめに丸めた、チコーリア・ボール。すごいインパクトです。
どんなに大量のチコーリアでもリパッサータにすれば全然食べられることが証明されましたねー。
最初はこのチコーリアボールはなんだ、と絵もいましたが、下の動画を見て解決です。ゆでたチコーリアを丸めて皿にのせて水気を切り、それをソッフリットに入れてにんにくと唐辛子風味の油を吸わせていたんですね。
ここでローマ風のチコーリア・リパッサータの食べ方を紹介。ローマと言えは、ピッツァ・ビアンカ。カットピッツァです。ピッツァやフォカッチャの間にチコーリア・リパッサータをたっぷりさんでいただきます。これはヘルシー。ピッツァやフォカッチャに合う、ということはブルスケッタにも合いますね、きっと。


チコーリア・リパッサータの具のピッツァ。

チコーリアを栽培するのはとても簡単。ベランダのプランターでも育つ。あまり世話をする必要もなく、日当たりの良い場所を好んで暑さにも寒さにも強い。
ちなみに種まきは月が欠けていく下弦の月の時期、収穫は月が満ちていく上弦の月の期間が適しているそうです。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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