ナポリで一番豪華な料理、サルトゥ・ディ・リーソについて。
ナポリ料理は残り物を有効利用することが得意だけど、さすがにこの料理には使わないだろう、と思ってそう書いたのでした。
ところがその後、『SALE & PEPE』2021年1月号に、シチリアのティンバロについて、こんなことが書いてありました。
「シチリアのティンバロは貴族のフランス人料理人が作って広めたフランス系料理ですが、具に残り物を詰めることがありました。そしそてこれがナポリに伝わってサルトゥになりました」
おっとー。『山猫』でおなじみのシチリアの歴史を感じる高貴な料理ティンバロが、ナポリに伝わると、残り物を入れたサルトゥになるですとー!?
失礼しました。昨日の内容を訂正させていただきます。
山猫(GATTOPARDO)のティンバロ
彼は、サルトゥはサヴァランと同じ型を使うパスティッチェリーアのイメージが強い料理、ティンバロを貴族料理とナポリのストリートフードに分けるポイントは、パスタにある、と語っています。
カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ(伊・英)』
当時はまだトマトが伝わっていなかったので、フランス料理は真っ白でした。サルトゥも白かったので、イタリアにはあまり広まらなかった、と考えられています。トマトが伝わると、料理は赤くなります。中でもトマトが良く育つナポリの料理はトマトソースで真っ赤になりました。赤いソースはカテリーナ以上に世界の料理を変えました。ナポリ料理にトマトが加わったのは19世紀になってから。
カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ(伊・英)』
ティンバロはフィレンツェの貴族料理やカテリーナ・デ・メディチとも関係があります。
そもそも彼女がこれをフランスに伝えたと信じられています。
イタリアとフランスの料理史の転機となったカテリーナとフランス王の結婚。
ナポリのトマトが世界中に広まるにはピエモンテ人のチリオのトマトの缶詰の発明を待つことになります。
ピエンノロ・デル・ヴェスビオ。
サルトゥ・イン・ビアンコ
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