宗教は違っても、ケーキとプレゼントだけは律儀に守っている人も多いのでは。
クリスマスのプレゼントは、イタリア人にとっても特別なもので、もちろん、クリスマスの大事な伝統です。この時期に誰かに贈り物をするという行為は、キリスト教徒の一種の義務のようなものですが、クリスマスプレゼントが伝統行事だと思ってる人はあまりいないだろうなあ。
『サーレ・エ・ぺぺ』誌の2020年12月号にクリスマス・プレゼントについての記事があったので、訳してみます。
クリスマスプレゼントは、古代ローマの12月後半に行われるサトゥルナーリア祭に起源があります。聞いたことがないお祭りで、無礼講のどんちゃん騒ぎだったようですが、西洋の人たちの間ではクリスマスの前身としてよく知られている祭り。これに幼子イエスの元に駆け付けて贈り物をした東方の三博士の話がミックスされたもののようです。
この贈り物は物質的な価値よりも、何か便利なものが選ばれました。
さらに自らが造ったものであれば喜ばれました。
古代でもこの目的にピッタリと考えられていたのが食べ物です。
例えば、狩りの獲物は古代の儀式に捧げた後、贈り物になりました。
現在では、スポーツとしての狩りは消えても、自ら料理して贈るという習慣は残りました。
そしてクリスマスプレゼントを宗教的にも、儀式的にも特別なものにしているのは、サンタクロースの存在です。サンタクロースは、この儀式を世界的なものにしました。どうやら重要なのは、サンタのコスチュームのようです。
イタリアではサンタはバッボ・ナターレBabbo Nataleだけど、サンタクロースSanta Clausはアングロサクソンの国々での呼び方。
サンタクロースをイタリア語にすると、San Nicola。
サンタのプレゼント工場。
San Nicolaはトルコのマーラの大司教で、プーリアはバーリの守護聖人。
バーリのサン・二コラの祭り。暖かい祭りですが、コスチュームはまったく別物。
この聖人は、貧しさから3人の娘を売ろうとしていた親の家にお金を投げ込んだという伝説が残されていいて、これらのことから貧しい子供や詐欺の被害者の保護者の聖人と見なされています。
ク、クリスマスのプレゼントの裏に、人身売買なんて重い話があったなんて。サン・二コラは騙された人の保護者だったんだ。
とにかくゲーム機もらって喜んでる子供たちは、この儀式の深い意味も知るべき。
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