今日のお題は、ナポリ料理で一番豪華な料理、“サルトゥ・ディ・リーゾsartu di sisoです”(リチェッタはP.39)。
考え出したのは庶民ですが、ナポリ料理につきものの残り物を有効利用した料理では一切なく、様々な材料を使い、盛り付けも派手で、王様の料理と呼ばれています。
ブルボン朝のフェルディナンド1世のフランス人料理人、モンズ―が創り出した料理で、サルトゥというのはフランス語ですべてを覆うという意味のsourtous。
パスタの本場の1品ですが、主役は米。米はスペインからアラゴン王国経由でカンパーニアに伝わりましたが、味が薄い、と思われて、胃腸が弱い人向きの食べ物と考えられていました。モンズ―がその価値を見出して両シチリア王国や南イタリアに米料理が普及しました。シチリアのアランチーニ、プーリアのティエッラと、南イタリアの米料理の名物は案外あります。
ナポリのサルトゥ・ディ・リーゾ
シチリアのアランチーニ
カラブリアのシーバリ平野は米の産地。
プーリアのティエッラ(リーゾ・パターテ・エ・コッツェ)
ナポリのロスティッチェリーアはリストランテでは出さないナポリ料理の宝庫。
サルトゥはとにかく手間がかかる料理で、家庭からは姿を消し、それどころかレストランでも敬遠されました。なのでリストランテより、トラットリアのほうが出会う確率が高い料理です。
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