30歳でパスティッチェリーアのギャルソンになり、その後スパゲッテリーアで働いて人気店にし、多くの年月を海外で過ごし、シチリアに戻ってラグーザで自身の店リストランテ・ドゥオモを開き、ミシュランで2つ星を獲得した、現在のイタリアを代表するシェフの一人です。
ラグーザのリストランテ・ドゥオモ
彼はこう語っています。世界を巡り、ドイツやニューヨークで働いた後、私の島、私の故郷に帰ってきました。私は料理人です。あらゆるものの味と触感を五感を駆使して追求します。私の料理は常に大地と海の間や家庭や旅の記憶、アルタ・クチーナとストリート・フードの間にありますが、常にデリカシーは忘れません。
人の手で丹念に作られた食品を使う料理には、人間と自然が現れます。
美味しいワインのように、その品質は、まず畑に現れ、そしてカンティーナにも表れます。シチリア人の私にとって、ベースとなる食材は、オイル、麦、塩の3つです。そこに何世紀も続く島の伝統、文化を纏っています。それと同時に、シチリア人は変わることや越えていくことを恐れません。それは島のルーツが深く根を張っていることを知っているからです。クリスマスも同様です。
クリスマスは家族で祝います。12月25日には家族全員が集合して伝統料理を食べます。料理はいつも同じ。カッボーネのリピエーノ、手打ちのパスタ・イン・ブロード、そしてドルチェ。叔母さんたちが造って持ってきた料理も欠かせません。料理は家族の共同作品です。
妻は、各家庭の自慢の詰め物をしたラグーザの美味しいフォカッチャ、スカッチャ・ラグザーナscaccia ragusanaの担当です。我が家では、アンチョビ、イタリアンパセリ、ドライトマト、玉ねぎ、カチョカバッロ・ラグザーノを詰めます。
スカッチャ・ラグザーナ。
材量/4人分
シチリア産パン用硬質小麦粉・・600g
生イースト・・11g
塩・・小さじ1
ぬるま湯・・約250ml
EVオリーブオイル・・大さじ2
細かく刻んでオイルと塩で調味したトマト・・最低800g
バジリコ
カチョカバッロ・ラグザーノの小片・・200g
・小麦粉に塩を加える。
・イーストをぬるま湯で溶いて小麦粉に加える。オイルも加える。
・水を加えながらこねて滑らかな生地にしてまとめ、十文字のクープを入れる。覆いをして1.5~2時間発酵させる。
・生地を薄い円形に伸ばす。
・トマトを塗り、バジリコとカチョカバッロをのせて三つ折りにする。
・再びトマトを塗ってバジリコとカチョカバッロをのせ、三つ折りにして天板にのせる。フォークでピケする。
・200℃のコンベクションオーブンで30~35分焼く。
バリエーション
代表的な詰め物はトマト、なす、カチョカバッロ、アンチョビ、リコッタ、フィノッキエット入りサルシッチャですが、季節や場所によってバリエーションは豊富。
生地は硬質小麦粉、オイル、イースト。発酵させて薄く伸ばしたら、具をのせて数層に折りたたんでいきます。または半月型に閉じてオーブンで焼きます。
二人の姉は、ブロード用のパスタ、クアドルッチやシクリのクリスマスのビスコッティ、イアッドゥッチiadduzziを作ります。
モディカとシクリ。
シクリのイアッドゥッチ。
・詰め物を作る。鍋に蜂蜜500g、水500gを入れてアーモンドプードル100g、オレンジ1個の皮のすりおろし、シナモンを加えて中火で熱する。
・かき混ぜながら硬質小麦粉400gを少しずつ加え、鍋肌からはがれるようになるまで熱する。天板に移して完全に冷ます。
・表面の生地を作る。硬質小麦粉500g、卵1個、ラード50g、ベーキングパウダー1/2袋、砂糖100g、水少々をこねて締まった生地にし、ラップで包んで冷蔵庫で30分休ませる。
・詰め物を絞り袋に入れる。
・生地を麺棒で薄く伸ばす。幅8㎝に切って巻き、長さ8㎝に切る。両端に切込みを入れて天板に並べ、180℃のオーブンで13分焼いて冷ます。
・グラッサを作る。粉糖300g、卵白2個、レモン汁とレモンのエッセンス少々をホイッバーで混ぜる。これを刷毛でビスコッティの表面に塗り、室温で乾かす。
カチョカバッロ・ラグザーノ。
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