今日は、牛肉のサルーメの話。
イタリアの農民は、昔は各家で1頭は豚を飼っていました。
そのため、依頼があったら各家庭をまわって豚を捌いて腸詰にする仕事が存在しました。
でも、牛はどうだったのでしょう。
そもそも、ブレザーオラはバルテッリ―ナの名物。
バルテッリーナ
フォンティーナは、パルミジャーノ、モッツァレラと共にイタリアが世界に誇るチーズでもあります。
おまけの動画その2はジョルジョーネのコトレッタ・ミラネーゼ。
このチーズは地元の品種の牛のミルクから作ります。
牛がたくさん飼育されていそうなバッレダオスタですが、この地方で肉と言えば豚肉か狩猟肉で、牛は処分しなければならない時だけ捌き、塩漬けにして保存し、煮込みなどにして食べました。それでも子牛肉を食べる習慣はありませんでした。
ブレザーオラも昔は馬肉や鹿肉で作っていました。
それでもバッレダオスタには、フォンティーナの他に、バッレダオスタ風コトレッタという名物料理があります。これは子牛肉の料理です。
食習慣が変わったのは、バッレダオスタに観光客が訪れるようになったからでした。
ブレザーオラは現在はイタリア中で造られているサルーメですが、ヴァルテッリ―ナのブレザーオラはIGP製品で、管理組合が各種の規定を定めています。
原料は、牛のもも肉。もも肉に粗塩ゃスパイスをまぶし、10日後に腸詰にして吊るし、その後1~3か月熟成させます。食べる時はスライスしてオリーブオイル、レモン汁、バルサミコ酢などをたらします。
ブレザーオラができるまで。
フォンティーナ
フォンティーナのCM
ヴァッレダオスタ風コトレッタ。
フォンティーナを挟むことによって肉のボリュームアップにもなりますね。
焼くときに香りが良い森のバターを使ってチーズが溶け出すまで焼けば完璧。
おまけの動画、コトレッタ・ボロニェーゼ。
パルマの生ハムをのせてパルミジャーノを散らします。
叩いて薄く広げた肉のことを像の耳orecchia di elefanteと呼びますが、上質の肉を使っている時は薄くしたがらないアルタ・クチーナのシェフもいます。
この人はほんと庶民派。
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