このところの日持ちがする乾いたパンや、堅くなった残り物のパンの話をするたびに、なんだか、最近こんなパンの話をしたばかり、という気が強くなっていました。
実は、(CIR8月号)で、そんな料理のリチェッタを訳したばかりでした(P.2)。
それはサルデーニャの究極の乾燥したパン、羊飼いが移牧に持っていくために考え出した、皮だけのパン、軽くて日持ちがする究極のパン、パーネ・カラザウpane carasau。
家庭のオーブンで作るパーネ・カラザウ
材料/
セモリナ粉・・500g
水・・250ml
塩・・9g
生イースト・・5g
・セモリナ粉に塩とイーストを溶いた水を少しずつ加えて加えてニーダーで約15分こねる。
・生地を台に移してこね、滑らかな生地にして30~45分休ませる。
・生地を250g程度に分けて丸め、布巾で覆って30分休ませる。
・セモリナ粉の打ち粉をした台で生地を手と麺棒で平らにし、直径40㎝に伸ばす。
・打ち粉をした布巾にのせ、別の布巾で覆って打ち粉をする。残りの生地も同様に広げて重ね、30分休ませる。
・オーブンを最高温に熱する。
・生地を1枚、パーラーにのせてオーブンに入れる。生地がパンパンに膨らんだら取り出して上下2段に切る。
・布巾に2段に切った生地を1枚載せ、パーラーで潰して平らにする。裏側も同様にする。
2段に切った生地をオーブンで1分焼いて乾かす。
サルデーニャの人は、パーネ・カラザウをどうやって食べたのか。
オリーブオイルをかけるパーネ・グッティアウpane guttiauは、一番シンプルなバージョン。
グッティアウとは、滴らせる、という意味。文字通り、オリーブオイルをかける、という意味です。調味する、という意味のシチリアのパーネ・クンツァートよりもっとシンプル。
伝説では、突然訪れたサルデーニャ王のために手に入るものを農家のおかみさんが畑と家中からかき集めて急いで(フラッタウ)作った料理。
王様のためのアレンジとなると、さすがにオリーブオイルをたらすだけというわけにはいかない。乾燥させてわざわざ日持ちを良くしたパンもゆでて戻していただく。
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