きのう、サリーナ島のパーネ・クンツァート、別名クンツァート・エオリアーナを調べていて、シチリアの観光客向けのパーネ・クンツァートとは、造られた背景が違うもの、ということにようやく気が付きました。
パーネ・クンツァートは、貧しくて質素なパンの食べ方なのです。
シチリアを代表するワイナリー、プラネタのシチリア料理の本、
『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』によると、パーネ・クンツァートはかなり質素で貧しいパン、とあります。
シチリアのパンの美味しさは、初めてあのごま付きパンを一口食べた時から感じていました。あんなにおいしいパンなら、あれこれ豪華な味付けをしなくても、十分美味しいはず。
この料理の本質は、パンにあったのでした。
シチリア料理のお勧め本、『グイド・トンマージのクチーナ・シチリアーナ』
には、オーブンから出した熱々のパンを調味する最もシンプルで美味しい方法は、2段に切ってEVオリーブオイルをたっぷりかけて、塩とオレガノ少々を散らし、黒オリーブ数粒を加えればよい、とあります。
には、オーブンから出した熱々のパンを調味する最もシンプルで美味しい方法は、2段に切ってEVオリーブオイルをたっぷりかけて、塩とオレガノ少々を散らし、黒オリーブ数粒を加えればよい、とあります。
本に載っているパーネ・クンツァートのリチェッタは、パンを作るところから始まります。
この料理の基本は、パンです。
シチリアのパンと言えば、ごま付きパンのパーネ・マファルデPANE MAFALDE。
皿より大きなサワードウのパン。
シチリアのアラブ時代を想起させるマファルデは、とぐろを巻いた蛇のような形が特徴。モルトの香りとジュジュッレナーレgiuggiulena(シチリア系アラビア語でごまという意味)付き、クラムは柔らかいが、硬質小麦特有の腰もある。
あの形は、蛇のような棒状にした生地をくねくねと折りたたみ、最後に尻尾で全体にくるっと巻き付ける。
パーネ・クンツァート作りは、夜にサワードウ(crescente)に小麦粉と水を足し、ドーナッツ形にして発酵させる。そして翌朝、生地を焼く。
パンとキリスト教は強く結びついている。
パンは貧しさのシンボルで、友情や平和、分かち合いのシンボル、さらには聖なるもののシンボル。
次回はトスカーナのパンの話。
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