2022年7月27日水曜日

フォカッチャのルーツたち、トスカーナのぶどうのスキアッチャータは、ぶどうが入らなければフォカッチャそのもの。塩は入ってます。

フォカッチャについてはまだ謎が多いのですが、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パ―ネ・ピッツェ・エ・フォカッチェ』

には、フォカッチャは発酵やオーブンの発明より前に考え出された、という説が載っています。
ピアディーナのような発酵させない平らなパンは、かまどの大きさに合わせた丸や四角に伸ばして、石の板の上で焼いて、皿のようにして使われました。各種の具をのせる容器で、最後は食べてしまうことができました。

ピアディーナ発祥の地と言われるエミリア・ロマーニャの庶民的なビーチ・リソート地、リミニのピアディーナ↓

トスカーナのスキアッチャータは、トスカーナ版フォカッチャ。
サワードウの薄焼きパン。トスカーナでぶどうの収穫の時期に作る農民のドルチェ。
トスカーナでぶどうと言えば、サンジョベーゼやカナイオーロ。
トスカーナで食べておけばよかったな・・・、とも思うけど、トスカーナの農家のぶどうのスキアッチャータは種入りぶどうで作るんだって。これは無理かも。
種で思い出すのがシチリアでサボテンを食べたとき。
種が多くてすごく食べにくかったので、思わず近くにいたシチリアのおじいちゃんに種が多くて食べにくいね、とぐちを言ったら、シチリア人は飲み込んじゃうんだよ、とウインクされたっけ。

ぶどうのスキアッチャータSchiacciata All’Uva
1番の軟質小麦粉・・500g
砂糖・・小さじ2
塩・・小さじ2
ぬるま湯・・300ml
ドライイースト・・1袋
EVオリーブオイル・・20g

・全部の材料をニーダーでこねる。
・ラップと布巾で覆って2時間発酵させ、2倍に膨らませる。
・天板に油を塗り、その中に生地を手で広げる。
・生地にぶどう1房の粒を1粒ずつ。
・グラニュー糖大さじ6を振りかける。
・220℃のコンベクションオーブンで30分焼く。
・切り分けてサーブする。

ぶどうのスキアッチャータのルーツはオイルと塩のスキアッチャータ。まさにフォカッチャ。
薪のかまどが存在しなくなった現代のトスカーナでは、朝食にパーネ・ショッコを食べるのは不可能になった。でも、スキアッチャータはストリート・フードになってトスカーナ人の小腹を満たしているんだとか。

フィレンツェのストリートフードになったスキアッチャータ。土曜の夜はこの賑わい。

結論は、スキアッチャータ=フォカッチャ。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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