2022年7月2日土曜日

カタツムリを食べる習慣は消えたが、今ではカタツムリはイタリアのスペチャリタ。

今月のアンティパスト、2品目は、エスカルゴです。
エスカルゴescargotはもちろんフランス語、イタリア語では、ルマーケlumacheです。
イタリアでは、エスカルゴはミラノ料理として知られています。
グイド・トンマージの地方料理シリーズのミラノ料理の本、『クチーナ・ミラネーゼ

には、《カエルとカタツムリ》という章があります。
そして約20ページに渡って、カエルとカタツムリの料理のリチェッタが繰り広げられています。
この本によると、カエルはロンバルディア料理の歴史的なシンボルの一つで、街の周辺の田んぼではよく見かけたそうで、リゾットやフリッタータ、グアッゼットにして食べたそうです。2つの戦争の間に激減しましたが、今は主に中国から輸入されているそうです。
国産品の人気は相変わらずのようですが、国産品はかなり入手困難なようです。
今ではカエルのことを語れるのはミラノの魚市場の老カエル商人ぐらいだそうです。

ミラノの巨大な魚市場。イタリア最大で世界中から魚が集まる↓

ミラノの魚市場は海からは遠く離れていても空港には近い。商品の65~70%は外国からの輸入品。つまり国産品は35~30%。

ロンバルディアの米どころ、ノヴァーラの伝統的カエル料理。

さて、問題はカタツムリです。
どうやらカタツムリを食べる習慣は、かなり昔に消え去ったようですが、フランスとイタリアでは、美食のシンボルとなっています。
イタリアで食用にされるカタツムリは主に2品種。
下の動画はその一種、helix pomatia。

ミラノでは主に煮込みや白ワイン煮にします。
鉄分が多い食材だそうです。
当然ながら、プロのシェフたちは生きているカタツムリを仕入れて料理します。素人はもちろん下処理済みで下ゆでしたものを買ってきます。
下処理がまずいと土の風味が残るそうです。

イタリアには北イタリアを中心に、色んな場所にカタツムリを養殖している人がいます。カタツムリの養殖は簡単ではなく、養殖方法には厳格な技があるそうです。
もはやカタツムリはイタリアのスペチャリタになっていました。
下の動画はカタツムリの養殖場。マドニータ法という世界中に知られる養殖方法を考え出した養殖場です。

次回はリチェッタです。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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