2022年7月14日木曜日

ニョッキは北イタリアに広まったが、その中心地はベローナ。ベローナ名物のニョッキ・ディ・マルガはドイツのシュペッツレそっくり。

リグーリアのじゃがいものバチョッカからじゃがいものお題に入ったので、ナポリのクロッケの次は、イタリア料理の代表的なじゃがいも料理、ニョッキの話に入ります。
参考書籍はスローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの、『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』

です。
軟質小麦粉や硬質小麦粉などの粉と水の生地のニョッキ。ニョッキというのは“団子”のことで、その形を言い表す言葉です。イタリア各地で作られていますが、じゃがいものニョッキと言う名前からもわかるように、主に北~中部イタリアの山岳地で作られています。パスタより前にイタリア中に広まった家庭料理です。
北東イタリアではシナモンやカカオ風味、パンやプラム入り、ピエモンテでは山のチーズ入り、セモリーノのニョッキ・アッラ・ロマーナgnochi alla romana、カネデルリcanederliやクノーデルknödel 、ラバトンrabatonなど、地方独特のものもあります。
トレンティーノのシュペッッレspätzleは、緩い生地を熱湯に落とすタイプのニョッキ。リチェッタは今月の(CIR/P.4)
じゃがいものニョッキは19世紀にじゃがいもがヨーロッパに伝わった後に生まれた料理。
当初は、パン粉が2/3以上と小麦粉の生地でしたが、次第にパン粉が消えて小麦粉をつなぎにした生地になりました。
現在はイタリア中に広まった料理ですが、その本場として知られているのは北イタリアとベローナを中心とするベネトです。

ベローナでニョッキと言えば、パパ・デル・ニョッコ↓
ニョッコはニョッキの単数形。ニョッコを刺したフォークを持つカーニバルの人気キャラクター。ベローナはニョッキの故郷と名乗っています。


ベローナのニョッキ作り。



シュペッッレと同じ生地を熱湯に落とすタイプのニョッキ、ニョッキ・ディ・マルガGnocchi sbatui di malga。これもベローナの名物ニョッキ。
山の放牧地にいた牧童が、手に入る限られた食材で作った力が出る料理。放牧地のバターで調味したものが最高だそうです。

リチェッタは『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』のものを訳してみます。
・卵2個を溶き、リコッタ300gを加える。
・約90℃の水2カップ弱、塩少々、小麦粉400g、生クリーム大さじ3を加えてホイッパーでよく混ぜる。
・熱湯に大さじ1/2ずつ落とし、浮かび上がったら穴あきレードルですくいとる。
・溶かしたバターとスモーク・リコッタをかける。

ベローナでは、ロミオとジュリエットにアイーダ以外にも、ニョッキを食べるのを忘れずに。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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そういえば、柑橘フルーツ天国イタイリアで注目度上がってるゆず。次に注目の日本の柑橘フルーツはミヤガワこと早生の温州ミカン。

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