2021年5月31日月曜日

リグーリアのパスタソースはペースト・ジェノベーゼだけじゃない。

今日のリグーリア料理もマイナーです。
トッコ・アッラ・ジェノベーゼtocco alla genoveseです。
例によってなんの予備知識もなかったのですが、訳した『サーレ・エ・ぺぺ』の記事には赤身の肉のラグーとありました。
つまり、ジェノバ風ミートソースですね。
動画もありました↓

おっと、挽肉じゃなくて塊肉の料理でした。
副題にスーゴ・ディ・カルネとあるとおりで、肉の煮汁のソースです。
トッコとは、スーゴという意味。
リグーリアではペースト・ジェノベーゼという絶対王者がいるので、他のパスタソースには目が向かないかもしれませんが、トッコもリグーリアの伝統料理の定番です。

スーゴについてもっと知りたくなったので、イタリア料理アカデミーの地方料理の本、スーゴとソース

を調べてみました。
アカデミーの研究成果が詰まった素晴らしい本なのですが、難点は、内容が濃すぎて、次から次へと新しい料理が登場して、きりがないこと。

本に載っていたリチェッタは、カルチョーフィのトッコ。
ありきたりのリチェッタは載せないなあ。
さらには、ペーストといえばバジリコですが、あえてなのか、ソラマメのペーストのマローというのを紹介しています。
動画がありました↓


ソラマメのペースト、マローpesto di fave o Marò ligure

材料
 さやむきソラマメ・・600g
 ペコリーノ・・80g
 松の実・・25g
 オリーブオイル・・60g
 ミント・・小6枚
 にんにく・・1かけ 

・軽く塩を加えた湯でソラマメを3分ゆでる。
・冷水に取って加熱を止め、薄皮をむく。
・薄皮をむいたソラマメ約400gと全部の材料をミキサーにかけてペーストにする。
・このペーストをパンのクロストーニに塗ったり、パタにかけてサーブする。
・油で覆って冷蔵庫か冷凍庫で3日間保存できる。



ペーストといえば松の実が欠かせませんが、松の実の代用品はくるみ。
そしてくるみのペーストもパスタに合います。
リグーリア風くるみのペースト。
 材料/
 くるみ・・150g
 牛乳・・150ml
 松の実・・20g
 にんにく・・1かけ
 パルミジャーノ・・30g
 EVオリーブオイル・・大さじ3
 パンのクラム・・30g、塩

・くるみを3、4分ゆでる。
・パンを牛乳に浸す。
・くるみを取り出し、布に広げて乾かす。
・熱いうちに薄皮をむき、冷めたら他の材料(パンは搾り、牛乳は必要ならソースを緩めるときに加える)と一緒にミキサーにかけてクリーミーなペーストにする。

材料をミキサーにかけるだけのペーストの手軽さは、カルボナーラに次ぐものがあるかも。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの次に簡単なのはコラトゥーラのパスタだと思っていたけど、ペースト・ジェノベーゼも捨てがたいなあ。

ところで、スーゴの本といえば、もう1冊、お勧めが。
スローフードのパスタソースの本、『パスタ・エ・スーゴ

スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズの1冊で、基本を知りたい時に役に立ちます。

この本のスーゴ・ディ・カルネのパスタには、こう書いてありました。
“このタイプのパスタは、伝統的には、主にアブルッツオ、トスカーナ、ベネトで、手打ちのスパゲッティやスパゲットーニ用、またはバッサ・パダナ地方のタリアテッレなどのパスタ用に広まった。北でも南でも、塊肉を使う、重要な食事用の料理だった。
ソースには内蔵や挽肉を使い、肉は牛肉などの大型のものだが、家禽肉の場合もあった。
ナポリには、ソッフリットに豚や子牛の内蔵を加えたパスタソース、スパゲッティ・アル・ソッフリット・ナポレターノが知られている。”

話が別のテーマに入りそうなので、続きは次回に。

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