2021年5月2日日曜日

ポーランドで生まれてナポリで開花したババの波乱万丈の歴史

今日のお題はイタリアのクラシック・ドルチェ(リチェッタは今月の「総合解説」P.15)。
1品目は>babàババ。
ババはナポリの代表的パスティッチェリア。

下の動画はスカトゥルキオのババ作りの様子。
さらにその下の動画とも、指先に引っ掛けた生地を軽く振り回して空気を抜きながら小さく分けています。


スカトゥルキオはナポリを代表する大手のパスティッチェリアですが、下の動画はもっとこじんまりした店のババ。パスティッチェリア・シリカpasaticceria silica。店のwebページはこちら
小さくても素晴らしい店だなあと思ったら、サバティーノ・シリカさんはナポリのパスティッチェリーア協会の会長。
どちらも作り方は同じ。
ナポリのババはシロップをよく吸い込むように、ふわふわであることがポイント。
そのために電動ニーダーは必需品。


それにしても驚いたのが、一番上の動画は、お勧め本
と提携している動画だったこと。
なので詳細なリチェッタは本にあります。
ババをストリートフードという観点で見たことなかったなあ。

動画の冒頭で、ババの歴史を簡単に語っていますが、ナポリのドルチェでも、ルーツはポーランド王、スタニスワフ・レシチニスキが、18世紀に偶然考え出した、という説が広まっています。フランスに亡命した王は、リチェッタを変更します。ナポリがフランスの支配下にあった時代に、このリチェッタがナポリに伝わりましたが、ナポリでも独自のアレンジを加えて広まったそうです。
イタリア料理の百科事典のような本、1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

にはこうあります・・・。
この王様はヨーロッパの歴史の荒波に揉まれて各地を転々とし、行った先々で地元のお菓子を食べるのが好きだったとか。ある時、クグロフを出されたが、パサパサで王様はあまり気に入らなかった。そこでラム酒のボトルにクグロフを投げつけてしまう。
ところがそのラム酒がしみたクグロフは美味しかったので、王様のお気に入りになった、という話が、伝説として伝わっています。

ナポリに伝わったババは、ナポリ市民のお気に入りになりました。こうしてマッシュルーム型の発酵生地をラム酒のシロップに浸したドルチェは世界中に広まっていきます。

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