2021年5月4日火曜日

パヴィアのトルタ・パラディーゾ

現在のテーマは、イタリアのクラシックドルチェの中でもアルトゥージが広めたもの。
前回はパスタ・マルゲリータpasta margheritaでした。
北イタリア生まれの質素な生地を、アルトゥージは、特に高価な材料は使わずに、スポンジ生地のようなふんわりした生地にしました。
マルゲリータ(デイジー)のような黄金色の生地からしても、ポイントは卵だとわかります。
そしてこのマルゲリータによく似ているのが、トルタ・パラディーゾtorta paradisoです。
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『ドルチ・ダ・フォルノ』

によると、このシンプルなケーキはロンバルディアのあらゆる町が、わが町こそが本家だと主張しているそうです。
伝統的には食後にワインに浸して食べるケーキで、ミラノでパティシエの修行をしたエンリコ・ビゴーニが1878年にパヴィアで考え出したという説が有力だそうです。
その際、貴族の女性がこのケーキを食べてパラダイスみたいだと言ったというのが大ヒットの要因でした。

↑イジニオ・マッサーリのトルタ・パラディーゾtorta paradiso。

・室温のバター220g、粉糖200g、グラニュー糖66g、塩、レモンの皮をホイップする。
・卵黄66g、室温の全卵166gを少しずつ加える。
・00番の小麦粉166g、べーキングパウダー3g、片栗粉100gを振るう。
・生地にマラスキーノ13gと振るった粉を加える。
・直径18cmの型にバターを塗ってグラニュー糖をまぶし、生地を流し入れる。
・170℃のオーブンで30分焼く。
・型から出して砂糖をふりかけ、裏返して底の固まった部分を切り落とす。

パヴィア↓
街の自慢の一つがパヴィア大学。世界最古の1361年設立。


大学ゆかりの偉人は電池を発明したアレッサンドロ・ボルタなど。
でも、食の分野なら、動画の最後の方に出てきたパスティッチェリーア・Vigoniに注目です。
ここがトルタ・パラディーソが生まれた店。パヴィア大学の向かいにあります。
店のwebページはこちら

トルタ・パラディーゾによく似たケーキがありました。
トルタ・パッラーディオ    torta Palladioです↓

パッラーディオはパドヴァ出身の天才建築家。ホワイトハウスもパッラーディオ様式を取り入れている。これは彼に捧げたケーキです。
後に彼が移り住んだヴィチェンツァのドルチェとして伝えられている。

ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラは世界遺産↓





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