2021年5月5日水曜日

入門編、イジニオ・マッサーリのパスタ・フロッラ

今日のイタリアのクラシックドルチェは松の実のケーキです。
リチェッタは今月の「総合解説」P.16。
クロスタータやビスコッティの生地。パスタ・フロッラのケーキです。
イジニオ・マッサーリの下の動画のリチェッタは、フロッラ・ミラノ。
一般的なフロッラと違って卵黄しか使わないので、一段と香ばしい生地になるそうです。
クリームやジャムのクロスタータに適した生地です。

材料/
 バター・・200g
 粉糖・・75 g
 アカシアの蜂蜜・・40g
 卵黄・・1個
 水40mlで溶いた塩・・2g
 バニラビーンズ・・1本
 レモン1/2個の皮
 0番の小麦粉・・300g

・バターは室温にするが形がなくなるほど柔らかくすると弾力のない硬い生地になる。バターと粉糖(グラニュー糖でもよい、粉糖は粒子が小さいので生地の中に行き渡りやすい)、蜂蜜(生地の焼色が濃くなる)、卵黄、水で溶いた塩、バニラの種、レモンの皮(黄色い部分だけ)をニーダーで混ぜる。生地に空気が入ると焼く時間が長くなり、均一に焼き上がらないので、バターはホイップしないように砂糖と蜂蜜を混ぜ込む。
・小麦粉をふるって生地に加える。こねすぎると固くなる。こね方が足りないと均一に焼き上がらない。ニーダーは常に水分の状態を確認しながら高速で回転させる。一握りの生地を片手でぎゅっと握った時になにも手につかなければ生地が小麦粉を完璧に全部吸い込んでいる。生地を取り出してまとめ、ラップで包む。冷蔵庫で一晩休ませて油と砂糖を行き渡らせて麺棒で均質に伸ばせるようにする。
・打粉をした台にあけて表面に粉を振り、麺棒で均一に伸ばす。上下に伸ばし、生地を90度回転させながら伸ばす。
《クロスタータ》
厚さ4mmに伸ばした生地にセルクルをのせて丸く抜き、セルクルに入れる。生地の一部を同じ太さの棒状に伸ばして巻き、型の端からほどいて側面に重ねる。余った生地を切り落としてやや平らにし、刃先で飾りをつける。

フロッラミラノとフロッラの違いが微妙すぎてわからない・・・。


彼の本、『イジニオ・マッサーリ』には、2種類のパスタ・フロッラのリチェッタがあるのですが、材料の配合が数g単位で違うという細かさ。

ところで、「総合解説」の松の実のケーキですが、これはパスタ・フロッラに松の実のクリームを詰めて焼いたケーキです。
イタリアのクラシック・ドルチェの一つ、トルタ・デッラ・ノンナを想像させます。
このケーキの話は次回に。

この『ラ・クチーナ・イタリアーナ』誌のこの記事は、パスタ・フロッラがイタリアに広まったのは ペレグリーノ・アルトゥージの本のおかげ、という説を取っています。
アルトゥージは、様々な地方料理に分裂していたイタリアの家庭料理を統一して、イタリア料理という概念を明確にし、イタリア家庭料理の父と呼ばれる、イタリア料理史上欠かせない人物です。
おまけの動画はアルトゥージの業績をまとめた動画です。カーサ・アルトゥージはイタリアの食文化を広めるために設立された財団の本拠地。
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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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