2021年5月23日日曜日

ペースト・ジェノベーゼは生鮮食品。そもそも長期間保存はできない。

今日はイタリアのグルメ旅のバーチャルガイド。
目的地はリグーリアです。
『サーレ・エ・ぺぺ』誌の記事のタイトルは「リグーリア、ポネンテとレバンテ」
リグーリアは、というか、リビエラと呼ばれるリグーリア沿岸部はジェノバを境に東をポネンテponente、西をレバンテlevanteと呼びます。
アマルフィのキーワード、マーレ・エ・モンティmare e montiは、この地方にも当てはまります。

海と山の間の僅かな土地を耕して行うのがこの地方の農業。
石壁の段々畑は、その象徴です。
下の動画は気が遠くなるような作業を繰り返してきた先人への深い敬意がこめられた動画です。
動画のタイトルは石と汗の壁。↓
アマルフィのレモン畑もそうでしたが、マーレ・エ・モンティの土地は景観は素晴らしいけど作物を育てるとなると大変。
リグーリアの作物は大量生産ができないので、価格も高い。そのため、生産者は最高のものを作ろうと努力する。
そんな土地にぴったりだったのがぶどう栽培とワイン造り。
この地方のワイン生産者は、世界で一番貴重なワインと胸を張っています。


ジェノバのシンボル、バジリコも段々畑のハウスで栽培されている。

ペースト・ジェノベーゼの主役はもちろんバジリコ。
ペーストは生鮮食品なので、長期間保存ができないソース。
しかも、バジリコの若葉だけ(夏場は約20日の若葉)を使う。
葉の上にかけられた板の上で横になって手作業で行うバジリコの収穫。
当然、本場の味は地元でしか味わえない。
フレッシュでデリケートなペーストは、リグーリアの味そのもの。
長期保存ができるペーストの味は本物とは全く違う。
ペーストは扱い的にはフレッシュチーズと同じ。

当然のようなこの事実も、実際にプラのバジリコ農場に行ってペーストを味わうまで気が付かなかった。
ペースト・ジェノベーゼにはリビエラ・リグレDOPのオリーブオイルも欠かせなかい。
庭でぼうぼうに育ちっぱなしりバジリコしか知らなかったので、こんなに大切に育てている姿はショックでした↓

ペーストの本のお勧めは、ファッチャーモロ・ペスト
ミニサイズのピッコリ・スプンティーニシリーズの本です。
このシリーズのもう1冊、リグーリアの発酵生地

もお勧め。
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