2021年5月30日日曜日

ジェノバは飢えていないと思わせるために見栄を張って大盤振る舞いした料理、トマゼッレは、ジェノバの数少ない肉の名物料理になった。

今日は“リグーリア”のグルメガイドで紹介されていたリグーリア料理の解説です。
フォカッチャとペースト・ジェノベーゼ以外の名物料理、
あまり知らないなあ。
まずはこれ、tomaxelle。
なんて発音するのかさえ知らない。

下の動画によると、トマゼッレと言ってますね。
子牛肉で肉を包んだインボルティーニです。
表面を焼いたら香味野菜とポルチーニのソッフリット、トマトのパッサータ、ブロード少々でとろ火で煮込みます。
ジェノバの数少ない肉の名物料理。

詰め物は子牛の挽肉、乾燥ポルチーニ、にんにく、マジョラム、牛乳に浸したパン。
祭りの翌日のローストや煮込みの残りを再利用したとはいえ、薄切り肉をボリュームアップさせて煮込みにするジェノバ人の節約気質が発揮された料理です。
歴史的には、この料理はジェノバがオーストリアと戦って籠城していた1741年のジェノバ包囲戦と呼ばれる戦争の間に生まれた料理です。
この時、捕虜に食べさせていた料理が、肉を肉で巻いたこの料理だそうです。物資がない籠城中に捕虜に肉料理とは、この大判振る舞いは、ひょっとしてジェノバは飢えていないのでは、まだまだ戦えるのでは、と敵に疑わせる作戦だったと信じられています。

地方料理書のお勧めは、イタリア・イン・クチーナ


『イタリア・イン・クチーナ』はスローフードが長年出版してきたオステリエシリーズ、『オステリエ・ディ・イタリア2017

最終形態にして最新版。写真も収録されています。
それでは、この本からトマゼッレTomazelleのリチェッタをどうぞ。
材料/4人分
 子牛の薄切り肉・・50〜60gが8枚
  子牛赤身肉・・100g
 雌の子牛の肩肉・・100g
 にんにく・・1かけ
 イタリアンパセリ・・1房
 マジョラム・・1房
 乾燥ポルチーニ・・30g
 松の実・・大さじ1
 トマトソース(好みで)
 パニーノ・・1個
 卵・・2個
 ブロード・ディ・カルネ・・1カップ
 白ワイン・・1/2カップ
 パルミジャーノ
 バター、塩、こしょう

・仔牛肉を熱湯でゆでてにんにく、イタリアンパセリ、マジュラム、ぬるま湯で戻したポルチーニ、松の実、ブロード少々に浸して絞ったパンと一緒にみじん切りにする。
・溶いた卵、パルミジャーノ、塩少々を加えてよく混ぜる。
・肉を軽く叩いてできるだけ広げ、詰め物を塗って巻き、タコ糸で縛る。
・インボルティーニをバターで焼き、こしょうとワインをかけて強火でアルコール分を飛ばす。
・ブロードとトマトソース加える。
・必要ならブロード少々をかけながら15〜20分煮る。煮汁が煮詰まったら火から下ろして糸を外し、皿に盛り付ける。濾した煮汁をかけてじゃがいものピューレを添える。


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