2021年5月12日水曜日

シチリアのメカジキとアブルッツォのキタッラ

今日のお題はパスタ。リチェッタは「総合解説p.24」にあります。
まずはメカジキのキタッラ。
メカジキと言えば、シチリアです。
ライバルのナポリ料理では、メカジキのパスタはマイナーな存在ですが、シチリアにはメカジキ料理が沢山あります。
特にメッシーナ海峡では、メカジキ漁の伝統が受け継がれてきました。
メカジキ漁師は尊敬の的の特別な存在。深海に棲むメカジキが表面に上がってきたところを銛で仕留める漁。仕上げにつける十文字のマークが、この漁の印。
フェルーカという独特の船を使うのはナイルの沿岸地方から伝わった方法で、今はメッシーナ海峡にだけ残っています。

メッシーナ海峡はシチリアとイタリア本土の間のマグロやメカジキの通り道。メカジキは産卵のために夏にこの海峡を通ります。流れの早いこの海峡に棲むメカジキは味がいい、というのがシチリア人の誇り。

メカジキは市場の花形の魚ですが、乱獲のせいで年々数が減っています。


次はキタッラです。もちろん、アブルッツォ生まれの名物パスタ。

メカジキのパスタは、メカジキを小角切りにしてソースに入れるのが一般的。でも「総合解説」では、切り身を焼いてパスタに添えるという、コロンブスの卵的新テクニック。
キタッラに赤ピーマン、ズッキーニ、にんじんのジュリエンヌを加えただけで、とてもカラフルになって、パスタの付け合せがとてもおしゃれになります。

でも、メカジキのパスタはやっぱりシチリア風がおいしそう。
シチリア風メカジキのパスタlo spaghetto alla siciliana con pesghece spada

材料/
 メカジキ・・300g
 ミニトマト・・250g
 黒オリーブ・・30g
 ケッパー・・20g
 フェンネルシード・・小さじ1
 イタリアンパセリ
 にんにく・・1かけ
 白ワイン
 スパゲッティ

・メカジキは皮を切り落として小角切りにする。
・ミニトマトを半分に切る。
・イタリアンパセリの葉を茎から外す。
・オリーブは種を取って輪切りにする。
・フライパンでイタリアンパセリの茎と潰した皮付きにんにくをオイルでソッフリットにする。
・パスタをゆで始める。
・茎とにんにくを取り除き、メカジキ、ミニトマト、ケッパーを加える。
白ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・ゆでたパスタを加えてなじませる。
・皿に盛り付けてイタリアンパセリのみじん切りを散らす。

シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”の『ペッシェ』や『ターヴォラ』にはメカジキのパスタなどメカジキ料理のリチェッタが各種収録されています。


スローフードのオステリエ・エ・ジェンティ・ディ・シチリアは、表紙がずばりメカジキ。ちなみにメカジキに戦いを挑んでいるのはプーピというパレルモの伝統人形劇の騎士。メカジキもプーピもシチリアの大切な伝統文化。ユネスコの世界無形文化遺産にも選ばれています。



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オステリエ・エ・ジェンティ・ディ・シチリア

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