2025年5月23日金曜日

トーマとフォンティーナはよく似たチーズですが、ピエモンテとヴァッレ・ダオスタの料理のベースになっているチーズ。

ニョッキ・アッラ・バーヴァgnocchi alla bavaことチーズのニョッキ。
この料理に使うチーズは、トーマ・ピエモンテーゼとフォンティーナ。
どちらもよく似た牛乳の溶けるセミハードチーズ。
脂肪を分離しない牛乳から作るトーマ・グラッサと、フォンティーナはよく似ているそうです。
フォンティーナはイタリア料理のリチェッタには度々登場するチーズですが、トーマはあまり聞きません。イタリア料理の百科事典『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

によると、古代ローマ時代の記述が残っている歴史の古いチーズで、全乳を使うグラッソと一部の脂肪を分離したミルクから作るセミハードのセミグラッソという2つのタイプがあります。トーマはテーブルチーズですが、ブリーモや詰め物など様々な料理にも使われるそうです。特にピエモンテのソース、クーニャを添えて食べるのがお勧めだそうです。
クーニャはぶどうやりんごがベースのマルメッラ―タのようなソース。

クーニャcugnà

クーニャはぶどうのモスタルダと呼ばれることが多いけれど、モスタルダ特有の辛さはありません。地元の特産品、ワイン用の黒ぶどうから造ります。ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロ用のワインには酸っぱすぎるので枝につけたままにした小さなぶどうの房を圧搾してじっくり煮たものです。収穫が終わると、暖炉の上にモストの鍋を置き、家中に美味しそうな香りを立ち込めて泡を取りながら煮込みます。砂糖は加えず、当時の農民にとっては貴重な農園の秋のフルーツ、りんご、マルメロ、洋梨、いちご、ヘーゼルナッツを加えます。バリエーションは無数にありますが、農民の残り物を有効利用する知恵が詰まったソース。
ピエモンテのご馳走、ボッリート・ミストにもよく合います。

ピエモンテのグラン・ボッリート・ミスト

アルタ・ランゲ地方の中心地、ムラッツァ―ノはトーマの産地。

ここで作られているのはトーマ・ディ・ペーコラ・デッレ・ランゲ。山羊のミルクと牛乳の全乳から作ります。

この調子でいくと、話が広がってピエモンテの食文化の沼にはまりそうなので、今日はこのへんで。

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