2025年5月16日金曜日

ナス料理が美味しいのは、地中海諸国に属する証明。

“パルミジャーノ”の話、続けます。

陽気で人がいいけど、極端に排他的なのがナポリ人気質であり、彼らの料理に対するスタンス。ナポリ料理はナポリ人にとってただ一つの本物の料理。ナポリの美食文化に誇りを持ち、自分たちが元祖であることを全力で主張する。

シチリアーニvsナポレターニ。
はっきり言って区別つかない。

パルミジャーナは、ナポリとシチリアの間で本家争いが繰り広げられている料理。
でも、ナポリとシチリアは両シチリア王国の首都でした。1861年にイタリア王国に統合されるまで、つまり200年前までは存在したのでした。
似ていることはたくさんあります。例えばモンズ―。当時の貴族のためのフランス人のお抱え料理人のことで、彼らが作る洗練された豪華な料理は、庶民料理とははっきりした境界線が引かれていました。

一方、シチリアは食文化の歴史的な遺産がイタリアでも特に豊富な州。古代ギリシャ人は地野菜を活かしたシンプルな料理を伝え、アラブ人はアグロドルチェな味と辛さの対比を伝え、スペイン人は豪華なドルチェを、フランス人は上品なソースや様々な詰め物のタルトを伝えました。中世には、パルミジャーナは派手な見た目のトルタのことでした。アルトゥージはこの料理のことをなすのトルティーノと呼んでいますが、彼の本でなすが登場する料理はわずか4品。実はなすは紀元前1000年ごろのアラブ人の医者イブン・ボトランが「ナスを食べると憂鬱な気分が誘発される」と警告し、多くの人がそれを信じた、という不幸な歴史がありました。
でも、トルコやギリシャ、レバノン、エジプトと言った国の料理になすは欠かせない。

シチリアのナス料理なら、カポナータ。

ギリシャのムサカ

トルコのなす料理

レバノンのなす料理

カラブリア風ナスのパルミジャーナ


シチリアはカターニア風パルミジャーナ

ナポリのなすのパルミジャーナ

すっかりナスの口になりました。
早くナスが出回る季節にならないかなあ。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。イタリアの地方料理の本としては最高の雑誌です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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