詰め物入りパスタの話をしていますが、詰め物入りパスタは、エミリア・ロマーニャ地方の名物料理。この地方では、伝統的に、クリスマスや祝日の料理で、トルテッリ―ニを作る時は家族中の女性がキッチンに集まって、おしゃべりしながら協力し合って作ります。
そういえば、木曜はニョッキ、金曜は魚、土曜はトリッパ、というい言い回しがありますが、日曜日も特別な料理を作る日。日曜日の料理は、手間暇かけて作るご馳走です。時間がたっぷりあって、家族がみんな揃う日曜日や祝日は、女性陣の腕の見せ所。
エミリア地方の詰め物入りパスタは様々ありますが、例えば、エミリア地方の中心地、ボローニャのシンボルはトルテッリーニ。
トルテッリーニは1個2gにも満たなくて、その大部分が詰め物の重さ。生地は詰め物を包んでも破れないぎりぎりまで薄く伸ばします。さらに小さければ小さいほどよい、とされます。ヴィーナスのおへその形と言われるのですから、その小ささは、愛らしいと形容されます。小指の先より小さいとも言います。正確にはカステルフランコ・エミリアの宿屋の主人がのぞき見したヴィーナスのおへそがモデル。
カステルフランコ・エミリアにある衝撃のセクハラ満載の昭和館のある記念碑。
トルテッリーニ。
詰め物には肉類がたっぷり入っています。肉の詰め物のパスタは、ゆでると肉のたんぱく質が溶け出ます。そのゆで汁、つまりブロードをパスタにかけて食べるのがトルテッリーニとその仲間、パルマやピアチェンツァのアノリーニ、ロマーニャ地方のカッペッレッティもこの食べ方です。
肉が入らないマーグロの場合は塩と油を加えた湯でゆでて水気を切り、バターやチーズであえるのが定番。水気を切るのは美食の観点からは誤りともされます。
リッチな詰め物に合わせるソースはシンプルなものが中心。
エミリア地方は畜産業が盛んで、パルミジャーノのようなチーズや去勢鶏のブロードのような濃厚なブロードを造り出すことができました。
パスタに詰め物にブロードと、時間がある日曜日じゃないとできない料理です。
エミリア地方の詰め物入りパスタを食べ歩いて詰め物とブロードを食べ比べるのもおもしろそう。
牛と鶏のトルテッリーニのブロード。
そういえばもクリスマスのトルテッリーニがサーブされる時は、まずその香りが料理の到来を告げます。だからブロードの香りはこの地方の人々の子供の頃からの記憶に深く刻まれています。
鶏より1ランク上の去勢鶏(カッボーネ)のブロード。
去勢鶏かひね鶏のブロードが伝統的ですが、牛肉のブロードも人気があります。ブロードを取った牛肉はセコンド・ピアットのボッリートとしていただきます。
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