2024年3月28日木曜日

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11です。

バカラ・アッラ・ヴィチェンティーナ。主要な材料はバカラ(ストッカフィッソ)。
バッカラは塩漬けして天日で干したメルルーサ。ストッカフィッソは塩を使わず、強風で干して木のように硬くなったメルルーサ。バカラのヴィチェンツァ風は半分に開いて骨を取ったストッカフィッソにアンチョビ入り玉ねぎのオイル煮やグラナを詰めて、オイルやミルクでとろ火で3~4時間煮たもの。ストッカフィッソの産地、ノルウェーのロフォーテン諸島のリチェッタではなく、ヴィチェンツァのベテラン料理人のオリジナル。付け合わせは黄色いポレンタ。


バッカラ・マンテカート。戻して煮たバッカラにオイルを加えながらマンテカーレする。付け合わせは白いポレンタ。


マンテカトゥーラはリゾットに使われるテクニック。煮汁に脂分を加えて乳化させて米をつなぐ。パスタはアルデンテだけど、米の場合はこの状態をアッラオンダalla'ondaと呼ぶ。
リゾットのマンテカトゥーラやアッラオンダはプロたちの注目の技。マスターシェフでこの人はグランシェフたちにボロクソに言われてる。

バッカラとストッカフィッソ。


イタリアのストッカフィッソは、ノルウェーと強く結びついている魚。そういえば、きのう食べた塩サバはノルウェー産だったなあ。1431年にベネチアの貴族の商人、ピエトロ・クエリ―ニがロフォーテン諸島で難破して、バッカラをイタリアに伝えた、という伝説はあまりにも有名。彼の足跡も詳細に分かっています。彼はクレタ島からマルヴァジーアやスパイスをベルギーのブルージュに運んでいたのでした。


干物貿易なんて言葉初めて聞きました。しかも1450年製作の世界地図まで登場して、ノルウェーのメルルーサは、途方もない旅をしたんですね。
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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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