話はちょっと戻って、今日はマントバのパンの話pane mantovana。
マントバのパンは、“パスタ・ドゥーラpasta dura”という分類に属する堅い生地のパンです。生地の水分は50%前後。細かい気泡の締まったクラムの軟質小麦粉のパンです。
これまでにも何度か取り上げてきましたが、マントバーナの他にも、コッピエッテ・フェッラレーゼcoppiette 、ロンディネッレrondinelle、ベネトのモンタスmontasùなどがあります。
寒くて望んだ発酵が行われない、北イタリア特有のパンです。
特徴なのは堅い生地から造られる3Dの独特な形。
ただ、食後のスープやソースに浸してソースの最後の1滴までおいしくいただくという用法には向かず、イタリアではマイナーな存在になりつつあります。
パスタ・ドゥーラのパーネ・マントバーナ。
始めてみた時に衝撃を受け、その後、このパンを買うためにフェラーラまで行きました。
そして一口食べた時、このパン、食べたことがある、と思ったのです。独特な形の割には、親しみのある味でした。
フェラーラはルネサンス期にエステ家が支配して栄えましたが、フェラーラの隣国マントバのゴンザーガ家も、エステ家には婚姻などで深く入り込んでいました。
パーネ・フェッラレーゼ。
パーネ・マントバ―ネ。
モンタスMontasù。
ミッコーネ・パヴェ―ゼ。パヴィアはロンバルディアの語源にもなったゲルマン系のランゴバルド族の国の中心地。
かつてはパンは1週間に1度しか焼かなかったので、日持ちすることが重要でした。ミッコーネの水分は35~40%。湿度の高い地域でも美味しさが長持ちするパンが望まれました。
ミッコーネmicconeとは、大きなミッカmiccaということ。そして小さなミッカはミケッタmichetta。
ミケッタと言えば、全部が皮のようなミラノのパン。と言えば、次に出てくるのがグリッシーニ。ピエモンテ名物のこのパン、というか、パンでさえないこの棒の味に、パーネ・ドゥーラの生地のパンはそっくりでした。
ミケッタ(ロゼッタ)は、ミラノをオーストリアが支配していた時代に広まったパン。ミッカが占領軍のオーストリア兵に不人気だったため、ウィーンのカイザーゼンメル(カイザーロール)に似たパンをという経緯で生まれたパン。
グリッシーニはピエモンテのサボイア家の宮廷で生まれたスティックブレッド。
北イタリアのパンの歴史は貴族や王様や宮廷が総出ですね。
グリッシーニは北イタリアのパンの最終形態でした。
とは言え、パンの歴史は複雑で膨大なので、もっと検証は必要です。
を参照しました。
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