今日はグルメガイド。今月の街はマントバです(CIR11月号P.38)。
マントバは、ロンバルディアの、ゴンザーガ家の街。ゴンザーガ家はルネサンスの宮廷文化を育てた一族。歴史地区は世界遺産。ポー河左岸の平地の街。上の動画では、マントバの名物料理も紹介されていました。
マントバに残るゴンザーガ家の栄光。
マントバの名物料理は、(CIR)でも紹介している通り。
まず、一番象徴的なのは、リーゾ・アッラ・ピロータriso alla pilota。カステル・ダリオという米の産地の名物です。米はミラノのスフォルツァ家によってマントバに広まりました。
米は水を利用するので栽培地の地形を変える必要があり、領主の力なしには広まりませんでした。そして領主は、飢饉や戦いが起こるたびに領民すべてに行き渡るような生産量の多い食料を必要としていました。そこで注目されたのが、ルネサンスの時代に東方から伝わった米です。学者の中には米をルネサンスの野菜、と呼ぶ人もいました。
カステル・ダリオの米。
“ピロータ”という名前は、米を精米する場所で働く職人のこと、つまり米の専門家が作った料理です。
リーゾ・アッラ・ピロータには、リゾット用米といわれるカルナローリではなく、ヴィアローネ・ナノVialone nano米を使います。これはヨーロッパで最初にIGPに認定された米です。イタリアの米はその形によって、コムーネ、セミフィーノ、フィーノ、スーペルフィーノの4種類の分類されますが、これは品質とは全く関係がありません。ヴィアローネ・ナノはセミフィーノ米です。
調理中に適度にデンプンが溶け出すので、ミネストラや柔らかいリゾットに適していました。ただし、ミラノ風リゾットの特徴であるアッラ・オンダになるほどクリーミーにはなりませんでした。
リゾット・マンテカーレ、アッラ・オンダ。
リーゾ・アッラ・ピロータは、イタリアの代表的米料理ベストテンに入るような有名料理。
サラメッラ・マントヴァ―ナとバター、硬質チーズなどで作ります。
カステル・ダリオのトラットリアのリーゾ・アッラ・ピロータRiso alla Pilota。マンテカーレしない、リゾットではなくリーゾです。
稲作地帯では、冬のたんぱく源は豚。農家では一家で年に1頭豚を飼い、冬になる前にしめて、サルシッチャやサラミなどのサルーメに加工して保存しました。この料理は稲作地帯ならではのご馳走。
には、カエルとかたつむりの章がありました。魚の章に登場するのはほぼ淡水魚のみ。唯一の例外がバッカラ。さすがは山の上に広まった魚。どこにでもあるけど、ノルウェーで造られてるんだよね。
おまけの料理はヴィアローネ・ナノを使う料理、ベネチア風イカ墨のリゾット。
いまだに後悔しているのが、ベネチアで、イカ墨のスパゲッティを食べちゃったこと。ベネチアではイカ墨はヴィアローネ・ナノ米のリゾットでいただきたかった。
ベネチア風リジ・エ・ビジもヴィアローネ・ナノで作る米料理。
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