2024年2月17日土曜日

ソムリエナイフの前身は、1882年にドイツ人が発明した“ウエイターズ・フレンド”。イタリア語だと“アミーコ・デル・カメリエーレ”


今日のお題は、“ワインオープナー”。様々な呼び方がありますが、イタリア語ではcavatappi。
私は、昔はスーパーで売ってるような、どこにでもあるソムリエナイフを使ってました。
それが、ご縁があって、イタリアの某世界的大手ワインメーカーが日本の展示会に参加した時、数日間お手伝いしました。最終日に片づけをしていたら、担当者が、片付けるものの多さにうんざりしたのか、販促品の中で欲しいものがあったらあげるよ、と言うのです。じつはこの数日間で数えきれないワインの栓を抜いていた私は、このメーカーの販促品のソムリエナイフの使いやすさに感心していました。そこで、こう言われてすぐに「このソムリエナイフが欲しいです」と、答えていました。ところが、それを聞いた担当者は、ちょっと躊躇したのです。え、ひょっとしてこれ高級品だった?そんな考えがちらっと頭をよぎりましたが、目をキラキラさせてありがとうございまーす!と見返すと、彼は約束通り、私にそのソムリエナイフをくれました。

ワインオープナー(ソムリエナイフ)は顧客に配るためにたくさんあったので、あまり深く考えずに大喜びでもらったのでした。家に帰ってウキウキで使ってみたら、どう考えても安物ではなく、かなり機能的で美しく、使いやすい、逸品でした。それ以来、数十年経った現在でも、愛用しています。
イタリアのクラフトマンシップに触れた最初のきっかけが、このソムリエナイフだったのです。これがフェラーリの国のソムリエナイフか、とその機能美と並外れた性能のよさに、完璧にやられました。
それまでソムリエナイフは道具、以上の考えは無かったのですが、いい道具はワインの味も変える、と考えるようになりました。
ちなみに、その時のワイナリーは、現在では日本の取引先も決まり、スーパーでそのワインを見かけるたびに、ソムリエナイフをくれた営業マンさん、ありがとうとつぶやいています。そして私と同じソムリエナイフをもらったソムリエさんたち、ここのワイン、よろしくお願いしますね!

そもそも、イギリスで、ガラスのワインボトルを18世紀末にコルクで閉じるようになり、それを開けるためにステンレスの虫の形の道具が使われました。それ以来、この道具を美しく、使いやすくするための改良がどんどん加えられるようになります。
世界で最初のワインオープナー(コルクスクリュー)の特許は、1795年にイギリスのサミュエル・ヘンシェル牧師から出されました。
コルクスクリューの歴史。

そしてもっと洗練された道具にしたのはドイツ人でした。1882年にカルロ・F・A・ウィンケが“ウエイターズ・フレンド”というワインオープナーを発明します。ウエイターズ・フレンドは、イタリア語にするとamico del cameriere。

ウエイターズ・フレンド。


イタリアにはワインオープナーの博物館が2つあります。
1つはバローロにあります。
バローロのワインオープナー博物館。


もう1つはパヴィアのモンテカルボ・ヴェシッジャにあります。

今日の話題は『サーレ・エ・ペペ』誌11月号からでした。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリアの月刊料理雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~11月号です。
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