今日のお題は今月のワイン。(CIR11月号の記事P.41)解説です。
今月のワインは、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノ。
イタリアの編集者は、今月も素敵な言葉でこの有名な上質ワインを言い表していました。
歴史の古いワインでエトルリア時代から高い評価を得ていましたが、医師で博物学者のフランチェスコ・レーディFrancesco Rediという人物が、1685年に“モンテプルチャーノはワインの王様だ“Montepluciano chi d'ogni vino è il re”と書いたことがすっかり有名になり、このワインのキャッチフレーズみたいになってしまいました。現在では、“ヴァル・ディ・キアーナの宝”と呼ばれているようですね。地元民のこのワインに対する愛情が伝わってくるような、高尚な呼び方。
まずはトスカーナはシエナ県のモンテプルチャーノを訪れてみましょう。
モンテプルチャーノ。
この記事を書いた編集者は、ここまで持ち上げて、ちょっとイタリア人ならではの遊び心と貴族を皮肉る庶民のたくましい本能が抑えられなくなったようです。
このワインのことを、トスカーナ大公のコジモ・ディ・メディチが文化的にも金銭的にも大きな投資をしたワインだと、上げてるんだか下げてるんだか、よくわからないビミョーでインテリジェンスがほの見える言い方をしてます。コジモ・ディ・メディチはフィレンツェを支配したメディチ家の大ボスの銀行家。ルネサンスの重要なパトロンの一人。徳川家康と渋沢栄一を合わせたような人。
1787年にはヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノというワインになり、1966年にはDOC、1980年にはDOCGワインになります。1988年にはロッソ・ディ・モンタルチーノが誕生します。1980年にはキアンティがDOCGになったことに押されて一時人気に陰りが見えますが、その後再生(ルネサンス)に成功します。
VINO NOBILE DI MONTEPULCIANO DOCG。
ぶどうはサンジョヴェーゼのクローンの一種で、地元ではプルニョ―ロ・ジェンティーレGRUGNOLO GENTILEと呼ばれるぶどうが最低70%。
トスカーナの大ワイナリーが作ったトスカーナの食文化を紹介する傑作
『ルフィーノのトスカーナ』
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