シチリア風なすのインボッティ―テ。なすの詰め物料理です。
なすはアラブから伝わった野菜。アラブ人によってシチリアに伝わったというのが定説だが、カンパーニアに伝わったという説もあり、カンパーニアでもなすは普及している。
シチリアはイタリア最大のなすの産地で、パルミジャーナやカポナータ、ノルマ風パスタ、コトレッタ、フンゲッタ、ベッカフィーコなど、ナスを使った地方料理がたくさんある。
ナポリ風なすのリピエーネ。
ナポリとシチリアのなす料理の違いは使っているなすの違い。ナポリのナスは、Violetta di Napoliという有名な品種。
さらに、なすは詰め物料理としても活躍するが、野菜に野菜を詰める料理と言えば、リグーリア料理。
リグーリアの野菜は地中海の太陽ではなく、リヴィエラの太陽を浴びて育つ。この地方には、香りの高いオリーブオイル、バジリコ、松の実、きのこ、野草など、野菜と相性の良い食材もたくさんある。一説には、リグーリア人の野菜好きは、海洋国家だったころの名残だと言われている。つまり、海の上で過ごす時間が長かったので、保存食ばかり食べていて、新鮮な野菜に飢えていた、という説。私はアメリカを一人旅して高カロリーの保存食ばかり食べていたら、自分史上最高にパンパンに太って周囲を驚かせた経験があるので、この新鮮な野菜を欲しがる気持ちがよくわかります。
リグーリア風野菜のリピエーニ。
材料/小型のなす・・8個
ズッキーニ・・10本
ズッキーニの花・・数個
玉ねぎ・・1個
モルタデッラ・・100g
パン粉・・2握り
おろしたパルミジャーノ
マジョラム・・数枝
卵・・4~5個
じゃがいも・・大4個
堅くなったパニーニのクラム・・7個
にんにく、イタリアンパセリ
40㎝角の天板
牛乳、
・パンに牛乳を吸い込ませる。
・鍋にたっぷりの湯を沸かす。なすとズッキーニはヘタを切り落として縦半分に切り、ゆでる。ズッキーニの花も中を下処理する。新鮮なものはそのままでもよい。これらを熱湯で3~4分アルデンテにゆでる。取り出して冷ます。・その間に玉ねぎを半分に切って外側の葉をむく。中心の葉は刻んでフライパンでソッフリットにし、パンに加える。
・ゆでた野菜をスプーンでくりぬき、刻んでパンに加える。
・詰め物を作る。刻んだモルタデッラ、マジョラムの葉、パルミジャーノ、卵、オイル少々、塩も加えて混ぜる。柔らかすぎる時はパン粉を足す。
・イタリアンパセリとにんにくをみじん切りにして天板に広げ、塩とオイル少々を加える。
・じゃがいもを薄く切って直接天板に広げ、オイルとイタリアンパセリをまぶす。その上に詰め物を詰めた野菜を並べる。
・詰め物が余ったら、パプリカに詰めてもよい。
・オイルを回しかけ、180℃のオーブンで55分焼いて表面に焼き色を付ける。
そしててなすのリピエーノに組み合わせたシチリア西部のワインの一つは、マルサラ平野のシチリアで一番西という名前の樹家族経営のカンティーナ、ヴィ―テ・アド・オヴェストのカタッラット“リーナ”。
なす料理は、パルミジャーナのように重ねるものと、リピエーノのように器のように使うものに分かれます。
なすのパルミジャーナ。
なすのリピエーノは、なすと香ばしさを味わう器部分と、風味とジューシーさがある詰め物部分の組み合わせです。
もう一つは、トレッビアーノ・ディ・グッチョ―ネ。
グッチョ―ネはパレルモ郊外の標高500mの畑でビオディナミカ農法でトレッビアーノを栽培しているカンティーナ。このワインは一部を樽で寝かせていて強さとエレガントさを兼ね備えたワインです。
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